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知母(ちも)の生薬説明ページはこちら

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中国東北部から北西部にかけて分布し、日本にも江戸時代に渡来し、栽培されているユリ科のハナスゲ(㊥知母Anemarrhenaasphodeloides)の根茎を用いる。葉がスゲに似て花がそれより美しいためその名がある。中国の河北省が主産地として有名で、品質のよいことから西陵知母(せいりょうちも)ともいわれている。知母にはステロイドサポニンのチモサポニンやキサントン配糖体のマンギフェリンなどが含まれ、抗菌・解熱・血糖降下作用などが認められている。漢方では清熱瀉火・滋陰清熱の効能があり、発熱による脱水や煩躁、肺病の咳嗽、便秘、排尿障害などに用いる。とくに実熱と虚熱の区別なく、高熱や微熱のいずれにも応用できる特徴がある。また滋潤作用があるため、熱病による口渇や煩熱など脱水症状のほか、陰虚による口渇やのぼせ、手足のほてり、興奮症状などにも効果がある。このため知母は「上にて肺熱を清し、下にて腎を滋潤する」といわれている。近年、ハナスゲの根の成分サルササポゲニンに由来するポルフィリンに脂肪細胞の分化を促進し、増殖させ、脂質を蓄積させる作用が発見され、塗るだけでバストアップ効果があると注目されている。

①清熱作用

実熱と虚熱のいずれにも用いられる。発熱性の感染症により高熱や口渇、煩躁、発汗の症状がみられるときには石膏などと配合する(白虎湯)。鼻炎や蓄膿などで鼻閉塞や膿性鼻汁のみられるときには辛夷・石膏などと配合する(辛夷清肺湯)。関節リウマチなどで四肢の関節に慢性的な腫脹や疼痛があり、局所に発赤や熱感のみられるときには麻黄・桂枝・附子などと配合する(桂芍知母湯)。肺結核などの慢性消耗性疾患で微熱が続くときには秦艽・別甲などと配合する(秦艽別甲湯)。また咳嗽や粘稠痰、発熱や盗汗が続くときには黄柏・地黄などと配合する(滋陰降火湯)。

②滋潤作用

口渇や乾燥症状に用いる。糖尿病や熱性疾患などで口渇が強く冷たい水を欲しがるときには石膏・人参などと配合する(白虎加人参湯)。高齢者や慢性泌尿器疾患などで口渇やのぼせ、性的興奮症状のみられるときには六味丸に配合する(知柏地黄丸)。

老人性皮膚瘙痒症などで痒みの強い皮膚炎には防風・蝉退などと配合する(消風散)。体力が衰えて神経がたかぶり、煩躁して眠れないときには酸棗仁・茯苓などと配合する(酸棗仁湯)。

処方用名

知母・塩知母・肥知母・チモ

 

基原

ユリ科LiliaceaeのハナスゲAnemar-rhenaasphodeloidesB.の根茎。

性味

苦、寒

帰経

肺・胃・腎

効能と応用

方剤例

①清熱瀉火

白虎湯

 

外感熱病の気分熱盛による高熱・煩躁・口渇があり冷たい飲物を欲するなどの症候に、石膏の補佐として用いる。

②清肺潤燥

二母丸

肺熱の咳嗽・黄色粘稠な痰などに、黄芩・栝楼仁・浙貝母などと用いる。

肺陰虚の乾咳・少痰に、川貝母・沙参・麦門冬・天門冬などと使用する。

③滋陰・退虚熱

①青蒿鼈甲湯

外感熱病の後期にみられる傷陰微熱に、生地黄・鼈甲・地骨皮などと用いる。

②知柏地黄丸・大補陰丸

陰虚火旺による骨蒸潮熱・夢精・盗汗などの症候に、黄柏・生地黄などと用いる。

④生津止渇

玉液湯・麦門冬飲子

胃熱の口渇や肺腎陰虚の消渇に、天花粉・麦門冬・葛根などと用いる。

⑤その他

通関丸

陰虚の排尿困難に、知母・黄柏に少量の肉桂を加え、滋陰降火するとともに腎の気化を促進して排尿させる。

陰虚の腸燥便秘に、知母の潤燥滑腸の効能を利用し、何首烏・麻子仁などと用いる。

臨床使用の要点

知母は苦寒で質柔性潤であり、上は肺熱を清して瀉火し、下は腎火を瀉して滋陰し、中は胃火を瀉して煩渇を除き、清熱瀉火と滋陰潤燥の効能をもつので、燥熱傷陰には虚実を問わず使用できる。熱病の煩渇・消渇・肺熱咳嗽・陰虚燥咳・骨蒸潮熱などに適し、滋陰降火・潤燥潤腸の効能があるため、陰虚の二便不利にも用いる。

参考

①生用(肥知母)すると瀉火の力が強く、塩水で炒す(塩知母)と滋陰・退虚熱に働く。

②知母・石膏は清熱瀉火・除煩止渇の効能をもつが、石膏は辛甘・大寒で肺胃の実火の清解に重点があり、知母は苦寒・質柔・性潤で肺胃の燥熱の清潤に重点がある。それゆえ、肺熱の実喘で清宣肺気が必要なときや胃火の歯痛・頭痛には石膏を多用し、肺熱燥咳で清肺潤燥が必要なときや胃津不足の口渇には知母を多用する。陽明気分熱盛で傷津をともなうときは、石膏と知母を併用し清熱・止渇・除煩の効果を強化する。

用量

3~12g、煎服。

使用上の注意

寒潤で傷胃滑腸し下痢を起こしやすいので、脾虚の泥状便や寒飲咳嗽には使用してはならない。

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