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牛蒡子(ごぼうし)の詳しい生薬解説

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別名:悪実(あくじつ)・大力子(だいりきし)・鼠粘子(そねんし)/ごぼう(件蒡)

ヨーロッパからシベリア、中国東北部にかけて分布するキク科の越年草、ゴボウ(㊥牛蒡Arctiumlappa)の種子を用いる。日本にゴボウの野生種はないが、千数百年前に中国から渡来し、日本で改良されて作物化した。ゴボウの根は日本独特の野菜で、日本人以外はほとんど利用しない。ヨーロッパでは新葉をサラダに用いる。種子には脂肪油のほか、リグナン系誘導体のアルクチゲニンやアルクチインが含まれ、利尿作用や抗真菌作用などが認められ、最近ではアルクチゲニンの抗腫瘍作用が注目されている。欧米ではコボウの根をバードック(Burdock)と呼び、血液の浄化や発汗、解毒、利尿の作用があるとして感冒、関節炎、リウマチ、皮膚疾患、浮腫などに利用し、根から抽出されたオイル(Buroil)はフケや頭皮の痒みの治療に用いられている。漢方では疏散風熱・祛痰・止咳・解毒の効能があり、涼性の解表・解毒薬として風熱型の感染症や扁桃炎、麻疹の初期、咳嗽、皮膚化膿症などに用いる。ただし牛蒡子には寒で滑利の性質があり、下痢気味の者には用いない方がよい。日本の民間では生の根の汁を痰が咽に絡んだときや胃の痛みに用いたり、生の葉の汁を関節腫痛や腫れ物に用いる。(バードック)

①発表作用

風熱型の上気道炎などに用いる。悪寒が少なく、発熱や咽喉痛、口渇のみられる上気道炎には薄荷・金銀花などと配合する(銀翹散)。麻疹の初期で発疹が十分でないときには升麻・葛根などと配合する。咳嗽には桑葉・桔梗などと配合する。

 

②解毒作用

扁桃炎や湿疹などに用いる。扁桃炎などの咽喉腫痛には荊芥・連翹などを配合する(駆風解毒散)。湿潤性で赤味のある湿疹や瘙痒症に苦参・蝉退などと配合する(消風散)。小児の腺病体質、アトピー体質を貫堂では解毒証体質というが、その体質改善に柴胡・黄芩などと配合する(柴胡清肝湯)。

処方用名

牛蒡子・大力子・鼠粘子・悪実・熟牛蒡・炒牛蒡・ゴボウシ

 

基原

キク科CompositaeのゴボウArctiumlappaL.の成熟果実。

性味

辛・苦、寒

帰経

肺・胃

効能と応用

方剤例

疏散風熱

銀翹散

風熱表証の発熱・微悪風寒・咽痛などの症候に、薄荷・金銀花・速翹などと用いる。

利咽散結

牛蒡湯・銀翹馬勃散・普済消毒飲

風熱・熱毒による咽喉の腫脹・疼痛・発赤・化膿などに、黄芩・金銀花・山豆根・玄参・大黄などと使用する。

祛痰止咳

風熱や肺熱による咳嗽・喀痰がすっきり出ない・多痰などの症候に、貝母・桔梗・桑葉・生甘草などと使用する。

宣肺透疹

麻疹の透発が悪いときや風疹(蕁麻疹など)に、升麻・葛根・蟬退・薄荷などと用いる。

解毒消腫

風熱・熱毒による癰腫瘡毒(皮膚化膿症)に、黄連・黄芩・金銀花・連翹などと使用する。

臨床使用の要点

牛蒡子は辛苦・寒で、辛散苦泄し寒で清熱し、毒邪を外透し痰熱を内泄するので、風熱挾毒に常用する要薬である。疏散風熱・宣肺祛痰・透疹解毒消腫の効能をもち、体潤で滑腸し二便を通利するので、風熱感冒・肺熱痰嗽・斑疹不透・咽喉腫脹・癰腫瘡毒などに用い、とくに二便不利をともなうときに適する。

参考

①炒熱すると寒性が軽減する。

②牛蒡子・薄荷は疏散風熱の効能をもつが、薄荷は発汗にすぐれ、牛蒡子は発汗透発の力は弱く清熱解毒にすぐれているので、風熱には併用することが多い。また、薄荷は頭目の風熱を散じ皮膚瘡疹を発し、理気解鬱・芳香闢穢にも働くのに対し、牛蒡子は祛痰・透疹・消腫に働く。

用量

3~9g、煎服。

使用上の注意

①煎剤には搗(つ)き砕いて使用する。

②寒性で滑利通便するので、脾虚の水様~泥状便には使用しない。

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