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檳榔子(びんろうじ)の生薬解説

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別名:檳榔(びんろう)、大腹子(だいふくし)/びんろう(檳榔)

マレー半島原産でインドネシア、フィリピン、中国南部などに植栽されるヤシ科の常緑高木、ビンロウ(㊥檳榔Arecacatechu)の種子を檳榔子といい、その果皮を大腹皮(だいふくひ)という.種子は長さ3cmぐらいのおむすび型をしており、表面に網目の模様がある。東南アジアの諸国ではビンロウの未熟な果実の胚乳を縦に割り、石灰をまぶし、ときに阿仙薬や甘草などと混ぜてキンマの葉で包んだものをチューインガムのように噛む風習がある。これを噛むと口の中が真っ赤になるが、麻酔的な作用があり、爽快な気分になる。果実にはアレコリン、アレカイジン、クバコリン、クバシンなどのアルカロイドラウリン酸、ミリスチン酸などの脂肪酸、タンニンなどが含まれる。アレコリンにはピロカルピンよりも強い副交感神経刺激作用、中枢抑制作用がある。このため唾液の分泌を促進し、瞳孔を縮小させ、腸蠕動を亢進させる。多量に用いると流涎や嘔吐、多尿がみられ、ひどければ昏睡や痙攣が現れる。このときにはアトロピンの注射が有効である。また煎液にはミミズやヒルに対する殺虫効果や条虫に対する駆虫効果のあることが知られている。漢方では駆虫・消積・理気の効能があり、消化不良や腹痛、寄生虫症、便秘、脚気などに用いる。→大腹皮

①駆虫作用

条虫や回虫などの駆除に用いる。寄生虫症に檳榔子を単独で煎じたり、粉末としたものを服用する。また家畜の条虫駆除剤として、ミミズなどの殺虫剤としても用いられる。

②理気作用

気の滞りを除き、気を下す。胃腸の蠕動を促進して腹満感や悪心、嘔吐、便秘、腹痛などを改善する。みぞおちが痞え、胸や腹が張って苦しく、大便や尿が出にくいときに木香・陳皮などと配合する(三和散)。

食べ過ぎなどで食べた物が停滞し、腹が脹満して痛むときには大黄・牽牛子などと配合する(木香檳榔丸)。ストレスなどによる左の肩背部のこりや圧痛には半夏・枳実などと配合する(延年半夏湯)。更年期障害などでのぼせや眩暈を伴うときに当帰・香附子などと配合する(女神散)。

③利水作用

脚気などによる浮腫に用いる。脚気などで下肢に浮腫があり、下肢倦怠感や疼痛、息切れのあるときには厚朴・橘皮などと配合する(九味檳榔湯)。心不全などで心下部が硬くて動悸があり、浮腫や息切れのあるときには茯苓・木通などと配合する(変製心気飲)。

処方用名

檳榔・檳榔子・花檳榔・檳榔片・大腹子・海南子・鶏心檳榔・ビンロウジ

基原

ヤシ科PalmaeのビンロウジュArecacatechuL.の成熟種子。

性味

苦・辛、温

帰経

胃・大腸

効能と応用

方剤例

行気消積・瀉下

①木香檳榔丸

食積気滞の腹満・腹痛・便秘・排便がすっきりしないなどの症状に、木香・大黄などと用いる。

②芍薬湯

湿熱下痢のテネスムスには、木香・黄連・赤芍などと使用する。

利水消腫

鶏鳴散・九味檳榔湯

脚気の腫脹・疼痛に、木瓜・呉茱萸・陳皮などと用いる。

水腫実証には、沢瀉・木通などと使用する。

殺虫

線虫・回虫・蟯虫などの虫積に、南瓜子・烏梅・雷丸などと用いる。

その他

截瘧七宝飲

裁瘧(さいぎゃく)の効能をもち、瘧疾(マラリアなどの悪寒・発熱の発作を呈する疾患)に常山・草果などと使用する。

臨床使用の要点

檳榔子は苦降・辛散・温通し、降気行滞に働き、気を下降させて痰を行らせ水を消し、滞破して積を除き食を化すので、降気破滞・通行導滞・利水化湿の効能をもち、さらに殺虫・截瘧に働く。それゆえ、虫積腹痛・痰湿作瘧・瀉痢後重・食積痰滞・胸腹脹悶・水腫脚気などに適する。

用量

6~15g、単味では30~120g、煎服。

使用上の注意

耗気降気するので、気虚下陥には禁忌。

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