たんなる気のせいかもしれない
タバコを吸う人、歯をみがかない人の口がくさいのは当然である。こうした原因が思いあたらず、それでも口臭があると思っている人は、ほとんどが気のせいと考えて、まずまちがいない。神経質な人は、多少の口臭でも気にするが、「生きている以上無臭ということはありえない」と考えるくらいの開き直りがほしい。
考えられる病気
子どもに多いのが、歯肉炎である。 歯の生えぎわが赤くはれ、出血、化膿しやすく、口がくさくなる。朝、とくにくさみが強い。
大人なら歯槽膿漏(しそうのうろう)を疑う。これも眠っているときに血や膿が口内にたまるため、やはり朝起きたときにくさい。歯ぐきは色がわるく、だんだんやせてくる。押すと膿が出てくることが多い。
そのほか、消化器に病気があるとき(急性や慢性の胃炎・胃アトニー・胃がんなど)、鼻に病気があるとき、呼吸器の病気(肺えそ・肺膿瘍など)でも口臭がある。
口臭が気になる方の漢方薬
桂枝五物湯(けいしごもつとう)
口臭一般に用いられる。ことに、歯肉炎や歯槽膿漏のものによい。
半夏瀉心湯
胃腸カタルがあり、みぞおちがつかえ、吐きけがあり、舌苔があるものに用いる。
甘草瀉心湯
胃腸カタルがあり、腹が鳴り、下痢ぎみで気分わるく、口内炎を起こしている人に。
調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
口臭強く、便秘する人に用いる。