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蘇木(そぼく)の生薬解説

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インドからマレー半島原産で中国南部や台湾でも栽培されるマメ科の常緑小高木、スオウ(スホウ:㊥蘇木Caesalpiniasappan)の心材を乾燥したものを用いる。スオウというのは中国名の蘇方の転じたもので蘇芳とか蘇方木とも書かれる。心材には黄色結晶であるブラジリンを含み、これは空気中で酸化されて紅色のブラジレインとなる。古くから赤色染料(蘇方染め)として有名である。なお同じマメ科の植物にハナズオウがあるが、この花の色が蘇方染めの色に似ていることから名づけられた。ちなみに南米に産する同属の植物をポルトガル人が誤って蘇方木(PauBrasil)と呼んだが、これがブラジルの国名の由来といわれている。木部にはブラジリンのほか、フェランドレンやオシメンなどを主成分とする精油が含まれる。また煎液に心臓の収縮力増強、中枢神経抑制、抗菌などの作用のあることが知られている。漢方では活血・通経・止血の効能があり、外傷や腹痛、無月経、産後の瘀血など婦人科疾患に用いる。打撲傷などの瘀血による諸症状に紅花・当帰・大黄などと配合する(通導散)。産後の悪露や骨盤内の炎症に川芎・桃仁などと配合する(活血散瘀湯)。また東南アジアでは収斂性の止瀉薬として、インドネシアでは痔や梅毒の治療に用いている。

処方用名

蘇木・蘇方木・ソボク

基原

マメ科LeguminosaeのスホウCaesalpiniasappanL.の心材。

性味

甘・鹹・辛、平

帰経

心・肝・脾

効能と応用

方剤例

活血祛瘀・消腫止痛

①通経丸

血瘀の月経痛・無月経あるいは産後瘀阻の

腹痛に、当帰・川芎・紅花・桃仁などと用いる。

②八厘散・通導散

打撲外傷の腫脹・疼痛に、乳香・紅花・血竭などと用いる。

その他

祛風和血の効能があるので、蕁麻疹の瘙痒や中風・破傷風などにも使用される。

臨床使用の要点

蘇木は鹹で入血し辛で走散し、活血祛瘀・消腫止痛の効能をもち、傷科の主薬であり、婦科にもよく用いる。跌打損傷の瘀腫疼痛、婦女の血滞経閉痛経・産後瘀阻などに適する。なお、「表裏の風気を発散す」といわれ、祛風和血の効能をもつので、古くは中風・破傷風に、近代はじんましんの瘙痒に用いている。

参考

①李時珍は「少用すればすなわち和血し、多用すればすなわち破血す」と述べており、参考にするとよい。

②蘇木・紅花は効能が似ており、活血通経・消瘀止痛に働き、婦科調経・傷科止痛の常用薬であり、少用では和血し多用すると破血する。紅花は温性で催生堕胎に働き、蘇木は偏涼で祛風和血に働く。

用量

3~9g、煎服。

使用上の注意

走散動血するので、血虚無瘀や妊婦には禁忌。

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