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升麻(しょうま)の生薬解説ページ

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別名:黒升麻(くろしょうま)・真升麻(しんしょうま)

北海道から九州、中国、朝鮮半島、シベリアにかけて分布するキンポウゲ科の多年草、サフシナショウマ(㊥升麻Cimicifugasimplex)の根茎を用いる。そのほかフブキショウマ(㊥興安升麻C.dahurica)やオオミツバショウマ(㊥大三葉升麻C.heracleifolia)の根茎を用いる。若葉をゆで、水にさらして食べることができるためサラシナ(晒し菜)の名がある。中国市場ではサラシナショウマの根茎を西升麻、フブキショウマを北升麻、オオミツバショウマを関升麻というが、日本市場に流通しているのはほとんどが北升麻である。

根茎の外皮が黒いため黒升麻とも呼ばれている。赤升麻というのはユキノシタ科の多年草であるトリアシショウマ類の根茎のことで、かつて升麻の代用にされたといわれる。升麻の成分としてトリテルペノイドのシミゲノール類やその配糖体、クロモン誘導体のシミフギン、ケロール、アミオール、フェノールカルボン酸のカフェ酸、ステロイドのシトステロールなどが報告されており、解熱、鎮痛、抗浮腫作用や肛門部炎症を抑制する作用などが認められている。漢方では解表・透疹・清熱・升提の効能があり、麻疹などの発疹を促進し、咽喉や口腔内の炎症を清し、内臓などの下垂を改善する。中国医学では升麻に上行、昇散する性質があり、清陽の気を上昇させ、頭痛や体表の邪を解し、下痢や下垂などを改善すると説明している。民間療法でも咽喉の腫脹や口内炎、歯肉炎などに煎液で含嗽したり、湿疹やあせもに煎液を塗布したり、浴湯料として利用している。ちなみに北米インディアンはアメリカショウマC.racemosa(ブラックコホッシュ)を月経困難や更年期障害などに用いていた。→赤升麻(ブラックコホッシュ)

①透疹作用

麻疹の初期で発疹が遅いときに用いる。麻疹の初期に葛根などと配合すれば発疹が促進されて症状が軽くてすむ(升麻葛根湯)。ただし高熱時や発疹がよく出ているときには用いない。

②清熱作用

おもに顔面部の炎症や頭痛に用いる。歯肉炎や口内炎には黄連や石膏と配合する。咽喉痛や扁桃炎、顔面部丹毒、中耳炎などには桔梗・牛蒡子・玄参などと配合する(普済消毒飲)。鼻炎や蓄膿症に辛夷・山梔子などと配合する(辛夷清肺湯)。中耳炎や耳鳴、耳聾などには蔓荊子・木通などと配合する(蔓荊子散)。熱病による頭痛には白芷・石膏などと配合する。

③升提作用

下痢や内臓下垂にしばしば柴胡と併用して用いる。下痢や胃下垂、子宮下垂などに黄耆・人参などと配合して用いる(補中益気湯)。脱肛や痔の疼痛には当帰・黄芩などと配合する(乙字湯)。

処方用名

升麻・黒升麻・関升麻・緑升麻・広升麻・炙升麻・ショウマ

基原

キンポウゲ科RanunculaceaeのサラシナショウマCimicifugasimplexWormskjord、C.dahuricaMaxim.、オオミツバショウマC.heracleifoliaKom.などの根茎。

以上の植物に由来するものが正品で、黒升麻・関升麻などとも称される。緑升麻・広升麻と称されるものはキク科Compositaeのタムラソウ属Serratula植物の一種S.chinensisS.Mooreの根である。

性味

甘・辛、微寒

帰経

脾・胃・肺・大腸

効能と応用

方剤例

発表透疹

升麻葛根湯・宣毒発表湯

 

麻疹の初期や透発が不十分なときに、葛根・牛蒡子・紫草などと用いる。

清熱解毒

①清胃散

胃火亢盛による歯齦びらん・口内炎・口臭などの症候に、黄連・石膏などと使用する。

②普済消毒飲

熱毒による咽喉の腫脹・疼痛・発赤には、牛蒡子・桔梗・玄参などと使用する。

陽明熱盛の頭痛には、石膏・白芷などと用いる。

熱病の発斑(皮下出血)や瘡瘍腫毒(皮膚化膿症)に、金銀花・連翹・大青葉・赤芍などと用いる。

昇挙陽気

補中益気湯・昇縮湯

気虚下陥による慢性下痢・脱肛・子宮下垂などに、人参・黄耆・柴胡などと使用する。

臨床使用の要点

升麻は甘辛・微寒で体質が空鬆(くうしょう)であり、微寒で清熱し軽浮昇散の性を有するので、軽清昇透して肺胃の邪毒を透解し、脾胃の清陽の気を昇挙し、発表透疹・解毒昇陽の効能をもつ。それゆえ、陽明頭痛・肌表風邪・斑疹不透・喉痛口瘡・瘡痬腫毒、および気虚下陥の久瀉久痢・脱肛・子宮下垂などに有効である。なお、発表するが陽明肌腠(きそう)の邪を発し、解毒するが時令疫癘(えきれい)の邪を解するので、邪が肌腠に鬱したり疫毒の邪が表にあるときにもっとも適し、単なる表証にはほとんど用いない。

参考

①生用すると発表透疹・清熱解毒に、蜜炒(炙升麻)すると昇挙陽気に働く。

②升麻・柴胡・葛根は発表昇陽の効能をもつ。葛根は陽明経の主薬で、解肌退熟し胃気を鼓舞上昇させて生津止渇し、煨熟すると昇陽止瀉に働く。升麻は肌表の風邪を散じ陽明頭痛を除き、脾胃の陽気を昇挙して陽気下陥の久瀉・脱肛・子宮下垂に効果がある。柴胡はおもに少陽の邪を散じて往来寒熱を除き、昇挙陽気に働き気虚下陥に用いるが、昇提の力は升麻に劣る。升麻・葛根は斑疹を透発し、升麻は解毒に柴胡は疏肝にも働く。

用量

3~6g、煎服。

使用上の注意

昇散の効力が強いので、陰虚火旺・肝陽上亢・気逆不降および麻疹の透発後には禁忌である。

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