menu

漢方薬に含まれている成分には何がある?注意が必要な成分は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

漢方薬は、2種類以上の生薬が混ざり合い、協力して働くことにより多彩な薬効を表します。

西洋薬は、大部分が化学合成された一つの成分でつくられているのに対し、漢方薬は、さまざまな生薬をブレンドすることができるため、各々の生薬が持つ有効成分が相乗的に、あるいは抑制的に働く仕組みを持っています。

また、用いられる生薬は、草や木、動物など自然に存在する天然物が使用されるため、例えば「生姜を食べると体が温まる」と言われるように、冷えていれば温め、不足していれば補うことによって体全体のバランスを整えるよう、自然な形で効果を発揮することが特徴です。

漢方薬に含まれる成分の種類

まず、どのような種類があるのかを解説いたします。

一般的に「生薬」と言うと、植物を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は植物の花、根、葉、枝だけではなく、菌類、昆虫、動物、鉱物なども含まれます。生薬は、このような自然界の物質を利用しやすく、保存しやすくしたものです。

あまり知られていない植物以外の菌類、昆虫、動物、鉱物について、少し例を挙げてご紹介させいただきます。

菌類

猪苓(チョレイ)

サルノコシカケ科のチョレイマイタケの菌核を乾燥したものです。むくみ、排尿障害、下痢などに用いられます。

この生薬が含まれる漢方薬:五苓散、柴苓湯、チョレイ湯など

茯苓(ブクリョウ)

松の根に寄生する、サルノコシカケ科のマツホドの菌核を乾燥したものです。むくみ、嘔吐、下痢、食欲不振、消化不良、動悸、不眠などに用いられます

この生薬が含まれる漢方薬:八味地黄丸、六君子湯、加味逍遙散など

昆虫

蝉退(センタイ)

蝉科のスジアカクマゼミなどの幼虫の抜け殻を乾燥したものです。風邪、熱性疾患、咽頭の腫れ、発疹、かゆみなどに用いられます。

この生薬が含まれる漢方薬:消風散

動物

牛黄(ゴオウ)

牛の胆のうにできた結石(胆石)です。牛黄は、古来からさまざまな病気に用いられてきた貴重な万能薬です。

この胆石は、胆石症の病気を患った牛から得られるものなので、全ての牛に発生するものではありません。1000頭に1頭程度と言われており、非常に高価な生薬です。

効果としては、滋養強壮、強心、感冒、鎮痙などさまざまです。

竜骨(リュウコツ)

大型哺乳動物の化石化した骨です。神経症、不眠、寝汗、出血、下痢などに用いられます。

この生薬が含まれている漢方薬:柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯

鉱物

石膏(セッコウ)

天然の含水硫酸カルシウムを主とする鉱物です。生薬以外では、彫刻の原料としても使われます。高熱や口渇、炎症のあるむくみやかゆみなどに用いられます。

この生薬が含まれている漢方薬:白虎加人参湯、麻杏甘石湯、防風通聖散、消風散など

 

注意が必要な生薬

このように、生薬には、「こんなものまで使うの?」と驚いてしまうようなものまで含まれていますが、古代の人が実際に使用してみて、その効能をしっかりと確認した薬効のある成分です。天然のものを組み合わせてできた漢方薬ですが、漢方薬も立派な「薬」であることには変わりませんので、副作用には注意が必要です。

漢方薬に使われる頻度の高い生薬で、注意が必要なものをご紹介いたします。このような生薬が含まれている漢方薬を服用中に、体調がいつもと違ったり、添付文書に記載されている副作用と思われるような症状が現れた場合は、服用を中止し、専門医に相談するようにしてください。

甘草(カンゾウ)

むくみ、血圧上昇、筋肉痛などの症状を伴う偽アルドステロン症を誘発する可能性があるため、カンゾウを含有する漢方薬を複数処方されている場合や、利尿薬と併用する場合は、十分に注意する必要があります。また、漢方処方だけでなく、カンゾウを含有する製剤や、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤と併用する場合も気を付けなければなりません。むくみなど、何らかの体調の異変に気づいた場合は、服用を中止し、速やかに医師や薬剤師に相談するようにしてください。

※偽アルドステロン症:副腎より分泌されるホルモンであるアルドステロンが、過剰に分泌されていないにも関わらず、過剰に分泌されているかのような症状をしめすこと。高ナトリウム血症、低カリウム血症、浮腫、高血圧などがあらわれる。

麻黄(マオウ)

主成分のエフェドリンが動悸を誘発したり、血圧を上昇させる可能性があるため、注意が必要です。また、気管支拡張剤などとの併用で、副作用が増強される可能性があります。高齢者には特に注意が必要です。

附子(ブシ)

ブシに含まれるアコニチンという成分は、大量に服用すると、口や舌のしびれ、嘔吐、動悸、のぼせなどがあらわれます。エキス剤では、比較的中毒は起こりにくいと言われています。決められた用法・用量を守り、異常を感じたらすぐに服用を中止し、医療機関を受診してください。

大黄(ダイオウ)

ダイオウの効果は個人差が大きく、少量でも腹痛や下痢などが生じる可能性があります。服用量に依存することが多いので、服用して腹痛を感じるようであれば、専門家に相談する必要があります。

 

まとめ

漢方薬に含まれる生薬を具体的にご紹介させていただきました。

一つひとつの生薬にはいくつもの効能が備わり、それらが組み合わさってできた漢方薬は、それぞれの生薬が奏でるハーモニーによって、数多くの効果をもたらすことをご理解いただき、その奥深さにほんの少しでも触れていただくことができたのではないかと思います。

同時に、注意が必要な副作用についての理解を深めることで、副作用を未然に防ぎ、正しく安全に服用しながら健康維持や病気の予防、体調不良の改善に役立てていただくきっかけにつながったのではないでしょうか

今一度、ご自身が服用されている漢方薬の成分をご覧になってみてください。そして、もし疑問に思う点などありましたら、漢方の専門家に相談してみましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ピックアップ記事

  1. 漢方薬のメーカーはどこがいい?各漢方メーカーの違いを解説!

  2. オーダーメイド漢方を専門アドバイザーがご提案!

  3. 更年期障害に効果的な10種の漢方薬

ページ上部へ戻る