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山茱萸(さんしゅゆ)の生薬説明はこちら

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別名:山萸肉(さんゆにく)、萸肉(ゆにく)/さんしゅゆ(山茱萸)

中国や朝鮮半島に分布している落葉小高木、ミズキ科のサンシュユ(㊥山茱萸Cornusofficinalis)の果肉を用いる。この核には毒があるので、取り除いた果肉を用いる。日本には江戸時代に朝鮮から伝えられ、観賞用として庭園などに植えられている。早春に黄色い花が咲くためハルコガネバナという和名もあり、秋には真っ赤なグミに似た果実がなり、生食できる。成分にはイリドイド配糖体のモロニサイド、スウエロシド、ロガニン、ウルソール酸、タンニンなどが含まれ、山茱萸のエキスでは抗糖尿病作用や免疫賦活作用などが知られている。漢方では肝腎を補い、固精・止汗の効能があり、性機能低下などの強壮薬として、また足腰の痛みや眩暈、汗が出すぎるときや頻尿、夜尿などの治療に用いる。民間では酒に浸けた「山茱萸酒」が滋養強壮の薬酒として知られている。なおミカン科の呉茱萸とは植物的には関係がない。

強壮作用

発育障害や老化現象に用いる。

老化に伴う腰痛や倦怠感、排尿異常、精力の減退、視力の低下、耳鳴、難聴などに山薬・地黄・茯苓などと配合する。たとえば六味丸や八味地黄丸、杞菊地黄丸、八仙丸、耳鳴丸などに配合されている。

処方用名

山茱萸・山萸肉・萸肉・浄萸肉・棗皮・サンシュユ

基原

ミズキ科ComaceaeのサンシュユCornusofficinalisSieb.etZucc.の成熟した果肉

性味

酸・渋、微温

帰経

肝・腎

効能と応用

方剤例

①補益肝腎

左帰飲・左帰丸・六味丸・河車大造丸・右帰飲・右帰丸・八味丸

肝腎不足の腰や膝がだるく無力・めまい・頭のふらつきなどに、熟地黄・枸杞子・杜仲などと用いる。

②渋精縮尿

草還丹・山茱萸丸

腎虚による遺精・頻尿・尿失禁などに、熟地黄・菟絲子・補骨脂・当帰などと使用する。

③固経止血

固衝湯

衝任虚損の不正性器出血(崩漏)・月経過多などに、熟地黄・当帰・白芍・陳棕炭・烏賊骨などと用いる。

④斂汗固脱

来復湯

虚脱や久病で汗が止まらないときに、竜骨・牡蛎・人参などと使用する。

臨床使用の要点

山茱萸は酸渋・微温で質潤であり、肝・腎二経に入り、酸渋で収斂し温で助陽し、精気を秘蔵し下元を固摂し、補益肝腎に働き精血を滋養するとともに元陽の不足を助ける。それゆえ、肝腎不足・精気失蔵による腰膝酸冷・耳鳴耳聾・陽萎遺精・小便不禁・崩漏带下などに適し、元気欲脱・大汗淋漓にも良効がある。

参考

①山茱萸は滋陰にも補陽にも働く肝腎不足の要薬であるが、補益の力は固渋より劣る。甘寒滋潤薬と用いると補陰血に、甘温辛熱薬に配合すると補陽気に働く。

②蒸熟して使用するが、炮製ののちに黒棗の皮のような形状を呈するところから、「棗皮」とよぶこともある。

用量

6~15g、煎服。

使用上の注意

①蒸熟して使用する。

②微温収渋であるから、陰虚陽亢・湿熱内蘊・小便不利には用いない。

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