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延胡索(えんごさく)の詳しい生薬解説

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別名:玄胡索、玄胡、元胡

浙江省をはじめとする中国各地で栽培されているケシ科の多年草、エンゴサク(㊥延胡索Corydalisturtschaninovii)や日本の本州中部以北にも自生するエゾエンゴサク(北延胡索C.ambigua)、本州、九州、朝鮮半島、中国東北部に分布するヤマエンゴサクC.linearilobaなど同属植物の塊茎を用いる。

なおジロボウエンゴサクC.decumbensの塊かてんむ茎や全草を中国では夏天無と称している。延胡索はかつて玄胡索という名であったが、宋代の眞宗の諱を避けて、、延に改め、以来、延胡索と呼ばれるようになった。エンゴサクの塊茎にはアルカロイドのコリダリン、テトラヒドロパルマチン、コリブルビンプロトピンなどが含まれ、コリダリンやコリブルビンには弱い麻痺作用、テトラヒドロパルマチンには鎮静、鎮痛作用が認められている漢方では活血・理気・止痛の効能があり、胸痛、腹痛、脇腹部痛、月経痛、打撲痛などに用いる延胡索は気血の流れを促進するため、「血中の気、気中の血を行らせる」といわれている。

また止痛薬として気滞や血瘀による痛みに効果があり、「一身上下の諸痛を治す」といわれ、とくに胃痛や月経痛の治療に優れている。日本でも胃薬や婦人用保健薬などの家庭薬にしばしば配合されている。止痛作用は乳香・没薬などよりも強く、酢で炒めれば止痛効果はさらに強くなる(醋延胡索)。

止痛作用

胸痛、腹痛、脇腹部痛、月経痛、打撲痛などに用いる。鈍痛に対して速やかに効果を発揮する、狭心症などの胸痛には良姜・檀香などと配合する胃炎、胃酸過多などの上腹部痛には良姜・茴香などと配合する(安中散)。脇痛、側腹部痛には香附子。枳殻などと配合する。婦人の月経困難症には当帰、芍薬などと配合する(折衝飲)、手術による癒着などの下腹部痛(疝気)には益智・呉茱萸などと配合する(神効湯)。

活血作用

婦人科疾患の治療薬として用いる。生理痛には当帰・川芎・芍薬・香附子などと配合して用いる。安中散で生理痛が軽くなることもある産後に出血が続いたり、慢性化した付属器炎などの瘀血症状に牡丹皮桃仁などと配合する(折衝飲)。

処方用名

延胡索・玄胡索・元胡索・元胡・玄胡・炒延胡・エンゴサク

基原

ケシ科Papaveraceaeのヤブケマン属植物 Corydalisyanhusuow.T.Wangの塊茎。

臨床使用の要点

延胡索は辛散・苦泄・温通し・肝・心の血分に入るとともに、脾・肺の気分にも入り、血中の気を利し気中の血を行らせて、「通じればすなわち痛まず」の効果をあげ、活血行気、止痛の良薬であり、一身上下の諸痛で気滞血瘀によるものにすべて有効である。脘腹脇痛、婦女の気滞血瘀による経閉。痛経・癥瘕および産後瘀阻、跌打腫痛、ならびに寒滞肝脈の疝気作痛によく用いる。

参考

①醋炒すると効能が強くなる。

②延胡索・乳香・没薬・五霊脂は常用の活血止痛薬であるが、止痛の力は延胡索がもっとも強く、応用する部位も広汎で持続時間が長く、毒性をもたないので、活血行気止痛の佳品である。

用量

3~9g、煎服、粉末にして呑服する場合は、1回1.5~3gを湯で服用する。

使用上の注意

①瘀滞のない虚痛・月経先期・血熱妄行には使用しない。

②妊婦には禁忌。

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