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膝や下肢の筋肉痛に大防風湯(だいぼうふうとう)

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「大防風湯は膝や下肢の筋肉痛によく使われます」

処方のポイント

血液補強の四物湯を中心に、からだの防衛力を高める黄耆、白朮、防風、筋骨を養う杜仲、牛膝、温めて痛みを軽減する附子、羗活、乾姜、消化器を保護し活性化する人参、甘草、大棗で構成。冷えや風に当たると痛む関節痛(とくに膝関節)に適応。甘辛味で、温服が効果的。

大防風湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

関節がはれて痛み、麻痺、強直して屈伸しがたいものの次の諸症:下肢の慢性関節リウマチ、慢性関節炎、痛風。

漢方的適応病態

気血両虚、肝腎不足の風寒湿痺(行痺)。すなわち、四肢や躯幹の遊走性のしびれ痛み、冷え、運動障害、軽度の浮腫などの風寒湿痺の症候に、疲れやすい、元気がない、食欲不振、顔色が悪い、頭がふらつく、皮膚につやがない、腰や膝に力がないなどの気血両虚、肝腎不足の症候を伴うもの。

大防風湯の組成や効能について

組成

人参1.5白朮3黄耆3甘草1.5大棗1.5川芎2当帰3白芍薬3熟地黄3杜仲3牛膝1.5附子1乾姜1羌活1.5防風1

効能

益気養血・去風消腫

主治

気血虛弱・肝腎不足・風邪侵入

◎益気養血:気血を補益する治法である。本証では脾・肝・腎の三陰の臓を養う意味が含まれている。

◎去風消腫:風邪を除去して、関節の腫れを治療する治法である。

解説

大防風湯は主に風湿の邪気が病因となる「鶴膝風亅(膝関節が大きく腫れて、脚は鶴のように細く萎縮した状態)に用いる処方である。

適応症状

◇関節痛

膝痛、ひどい場合には「鶴膝風亅の症状がみられる。「鶴膝風Jは長期化した風湿病にみられるもので、脾(気)。肝(血)、腎(陰)の不足をともなうことが多く、風邪、寒邪、湿邪が一体となって虚している経絡に侵入し、関節の症状を悪化させる。

◇腰膝無力

「腎は骨を主り」「肝は筋を主る」ので肝腎が不足して筋骨を栄養できないと腰膝の症状が現れる。特に腰がだるく、足に力が入らないことが多い。

◇顏色白

慢性疾患により体内の気血が消耗され皮膚の栄養が不足すると、顔色が白くなる。

◇舌淡暗・苔白

淡舌は臓腑。気血の虚弱を示し、暗舌は瘀滞をともなうときにみられる。白苔は病邪が寒に属することを示す。

◇脈沈細

沈脈は病位が深いことを示し、細脈は気血の虚弱を示す。

大防風湯は去邪薬より補益薬が多く配合された「扶正去邪」(正気を助け邪気を除去する)、「攻補兼施」(瀉法と補法を同時に施す)の処方である。人参黄耆、白朮、甘草、大棗は気血を生む源の脾気を補うことができる。さらに白朮は燥湿、黄耆は利水の作用によって、腫れた関節を治療する。川芎、当帰、白芍薬、熟地黄は「四物湯」の構成生薬で、血の不足を補い運行をよくして、関節の腫れ、撕ìを治療する。熟地黄、杜愾牛膝は筋、骨を主る肝。腎を補い、変形した関節を治療する。特に熟地黄は補腎力が強く精血を補益し、杜仲、牛膝は筋骨を強壮する。杜仲は腰痛、牛膝は膝痛を治療する薬として優先的に用いられる。附子と乾姜は辛熱性の強い散寒薬で、寒性痺症の疼痛治療に用いる重要な薬である。防風と羌活は去風薬で、風邪の侵入を排除しながら、すでに筋肉・関節に停滞している風邪・湿邪を取り除く。

臨床応用

◇痺症

特に関節の変形がみられる慢性リウマチ、関節症の治療に用いる、補益薬カ(多く配合されているので、衰弱、痩せ、歩行困難などの虚弱症状に用いることが多い方剤である。処方の性質が温性なので、主として疼痛の強い寒痺に使用されるが防風、羌活(去風薬)も配合されているので、舗が遊走する風痺にも用いることができる。リウマチ、慢性関節炎のほか、慢愷要痛、膝の掰南にも効果が期待できる。

◎腫れ、こわばり(湿痺)がつよいとき+「防已黄耆湯」(益気、利水)

◇骨髄炎(附骨疽)

筋骨にできる疽(化膿)を「附骨疽」という。多くは風寒湿の邪気が筋骨中の気血の流れを阻み、気血が凝滞することによって生じる。表面に赤味も熱もないが、針で刺すような痛みがあり、屈伸運動ができない。日を経れば、腐敗した肉が膿となるが、寒性で皮膚の色は変わらない、薄い膿がしたたる顯はふさがりにくい、瘻管や死骨をつくりやすいという特徴があり、骨髄炎に類似している。

附骨疽のほかにも、筋肉の化膿性疾患で、陰寒に属するものに対しては正気を助け邪気を除去し、患部の治癒を促進することができる。

患部に赤腫、熱感、盛り上りのある陽証の皮膚似儂性疾患には禁忌である。

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