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むくみの予防と漢方薬

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朝起きたら顔がむくんでいる、仕事が終わって帰る頃には足がパンパン、という方は多いですよね。夏場は特にむくみが気になる季節です。

今回は、むくみに効果のある漢方薬を、原因や簡単な予防法と合わせてご紹介していきます。

そもそも、むくみって何?

むくみとは、身体の細胞の隙間に余分な水分がたまってしまっている状態です。全身に症状が出るものと、体の一部分や片側だけに症状が出るタイプがあります。さらに、指で数秒間強く押した後、しばらく痕が残るものと、すぐに消えて残らないものに分類されます。

むくみを悪化させる原因

血流やリンパの流れが悪くなることで、組織に水分が染み出してきて、むくみやすくなります。血行を悪くする要因には様々なものがありますが、以下のようなものが挙げられます。

  • 長時間同じ姿勢でいる

一般的に多くの人が悩んでいるむくみはこれが原因のことがほとんどです。朝顔がむくんだり、夕方足がパンパンになったりするタイプはこれにあたります。

筋肉は心臓から全身に送られた血液を、末端の静脈やリンパ管から心臓に送り返すポンプのような働きをしています。立ち仕事やデスクワーク、寝ている間など、同じ姿勢を長い間続けることで筋肉をあまり動かさなくなると、血液がスムーズに流れにくくなり、皮下にしみだしてきて、手や足などの末端にとどまってしまいます。仕事で座ったままの時間が長くなるときは、かかとを上下に動かしたり、1時間おきに席を立つようにしたりと、適度に体を動かすようにしましょう。寝るときは足の位置を少し高くして、心臓と同じ高さにするとむくみにくくなります。また、弾性ストッキングなどを着用するのも効果的です。

  • 水分、塩分の摂り過ぎ

よく塩分を摂り過ぎるとむくみやすくなると言われますよね。あれは塩に多く含まれるナトリウムが原因となっておこります。ナトリウムは細胞の水分量を維持する役割を担っており、生命活動になくてはならない成分です。しかし、必要以上に摂り過ぎてしまうと、体内のナトリウム濃度を下げようとして細胞に水分をため込むようになってしまいます。

塩分過多によるむくみを改善するには、塩分の摂取を控え、体の中の余分なナトリウムと水分を外に出す働きをするカリウムを多く含む食品を摂取するのが効果的です。カリウムはかんきつ類やバナナなどの果物、アボカド、ほうれん草、切り干し大根やかぶ、白菜、セロリなどの野菜やいも類、納豆、海藻類などに多く含まれます。水に溶けやすい性質があるので、特に夏場は汗によって体の外に流れでてしまうことが多いため、積極的にこれらの食材を摂取していきましょう。ただし、腎機能が悪い方はカリウムをあまりとらない方が良い場合もありますので、注意が必要です。

  • 水分の不足

水分は摂り過ぎるとむくみの原因になりますが、逆に摂らな過ぎても良くありません。体内の水分が不足してしまうと細胞の中にため込んでしまい、排出されにくくなると言われています。むくみを気にして水分摂取を控えてしまう人も多いですが、適度な水分摂取を心がけましょう。

  • 冷え

身体は冷えると、熱を外に逃がさないために血管を収縮させようとします。また、血管が収縮してしまうと熱を全身に巡らせにくくなり、さらに手足が冷えてしまいます。体が冷えると血行も悪くなり、体液の流れも滞りがちになり、むくみやすくなります。

夏でもクーラーの効いた部屋にいると体温は低くなります。そのためできるだけ体を温めて、血液の循環を良くすることが、むくみの改善につながります。冷えを改善するには長めの入浴が効果的です。熱いお湯ではなく、37度程度のぬるめのお湯に長く浸かるのがポイントです。シャワーだけでなく、毎日湯船に浸かる習慣をつけましょう。

この他にも、精神的なストレスやホルモンの影響、睡眠不足、アルコールの摂取過多など、様々な原因が考えられますが、一般には上にあげたようなことが原因である場合がほとんどです。薬に頼る前に、まず生活習慣を変えてみましょう。日々のちょっとした習慣を改善するだけでもむくみの予防をすることができます。

 

漢方でのむくみの考え方

東洋医学では、むくみは“気”、“血”、“水”のうちの“水”が滞ることで起こると考えます。漢方でのむくみの治療では、この“水”の流れを改善することが重要です。体内の水分量は主に五臓によって調節されています。五臓というのは、肺、心、脾(ひ)、肝、腎の5つの臓器をさし、これらの不調を改善することも不可欠です。

むくみに効果のある漢方薬は?

一般に西洋医学ではむくみには利尿剤が用いられますが、むくみ体質に悩んでいる方には漢方薬がおすすめです。ここでは、むくみに効果が期待できる漢方処方をいくつかご紹介していきます。予防法と併せて、症状や体質にあったものを選択しましょう。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

  • 手足の冷えが気になる
  • 尿の量が減少(または多尿)

配合されている牛膝、車前子には水が偏った状態を改善する作用(利水作用)があり、しびれやむくみ症状に効果が期待できます。また、牛膝には血の巡りを良くする作用もあり、足腰の痛みや泌尿器など下半身の衰えにも効果的です。腰から下が冷えて重だるいなどの症状のある方のむくみに用いられます。この方剤には地黄(じおう)が含まれており、まれに胃腸障害を起こしてしまうこともありますので、胃腸が弱い方には注意が必要です。

桂枝加朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)

  • 虚弱体質
  • 汗をかきやすい
  • 冷え症体質

冷えがひどく、体力があまりない人に向いている方剤です。余分な水分を取り除く茯苓(ぶくりょう)や蒼朮(そうじゅつ)、穏やかに発汗させる作用のある桂皮(けいひ)や体を温め、痛みを和らげてくれる芍薬(しゃくやく)が配合されています。冷えてむくみを伴う関節痛や神経痛に適応となります。胃に負担をかける生薬が含まれていないため、胃腸虚弱の方にも用いられます。

柴苓湯(さいれいとう)

  • 食欲がなく、吐き気がある
  • よく喉が渇く
  • 体力が中等度

水の滞りを改善する他、生姜や大棗などの胃腸の機能を整えるものも配合されています。半夏には胃腸の水を取り除き、嘔吐症状を抑える働きもあります。吐き気や食欲不振がある人や、排尿が少なく、口や喉が渇く人のむくみに。体内の免疫を調節して、炎症を和らげる作用があることから、腎炎や肝炎などの免疫が関係する疾患にも用いられます。

五苓散(ごれいさん)

  • 吐き気、めまいがする
  • 口や喉が渇き、水をたくさん飲んでしまう
  • 尿量が少ない

利尿作用、体内の水分の量を調整する作用があり、むくみや下痢など、水が滞った状態(水毒)に良く用いられる処方です。身体を温めて気を巡らせる効果のある桂皮(けいひ)が含まれ、より利水の効果を強める働きをします。飲酒の前に服用すれば、二日酔いの防止効果もあります。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

  • 筋肉が柔らかく、水太り体質
  • 疲れやすい
  • 汗をかきやすい

生姜や甘草、大棗には胃腸の調子を整える作用があります。また、黄耆は気力を回復してくれる補気薬で、汗を抑える効果があります。汗をかきやすく、水太りの体質で下半身太りが気になる人や、立ち仕事などで足がむくみやすい人に向いています。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

  • 筋肉量が少なく、虚弱体質
  • 足や腰など下半身が冷えやすい
  • 月経不順や更年期障害が気になる

血を補う作用のある生薬が含まれ、手足が冷たくなるなど冷え症が気になる方によく用いられる処方です。さらに当帰、川芎、芍薬には鎮痙作用があり、月経痛などの腹痛にも効果が期待できます。生理前はホルモンの影響でむくみやすくなりますが、こちらも利尿作用のある生薬が含まれているので効果があります。

こんなむくみには要注意!

むくみは日常生活では支障がないことも多いので、放置してしまいがちです。一晩寝れば治ってしまうような一過性のむくみであれば、特に問題のない場合も多いのですが、中には内臓の病気が隠れていることもあります。腎臓や心臓、肝臓の機能低下、がん、糖尿病などの重篤な疾患によって引き起こされていることもあります。長期間むくんだ状態が続く、怠さが軽減しない、急激に体重が増える、息切れなどの異変が続く場合は早めに専門の病院を受診しましょう。

漢方を取り入れながら、むくみにくい生活習慣を

本来すぐに治るようなむくみでも、繰り返しているうちに治りにくくなったり、むくみやすい体質になってしまったりします。漢方薬は継続して服用することで、むくみの原因になる体質を改善していくことができます。

自分に合った漢方薬を取り入れて、むくみにくい体質を目指しましょう。

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