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むくみやすい等の症状に適応する越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

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「越婢加朮湯は汗つかきなのにむくみやすい人によく使われます」

処方のポイント

寒気の感冒に使われる麻杏甘石湯の兄弟処方で、杏仁に代わり、水分代謝を活発化し消化器を賦活する白朮・生姜・大棗が加わったもの。水分流通の悪化によるむくみ、冷たい飲み物が好きで尿量少なくむくみやすい等の症状に適応する。甘辛味で、温服が効果的。

越婢加朮湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

浮腫と汗が出て小便不利のあるものの次の諸症:腎炎、ネフローゼ、脚気、関節リウマチ、夜尿症、湿疹。

漢方的適応病態

風水。すなわち急激に発症する全身の浮腫と尿量減少で、浮腫は顔面にはじまり、全身に及ぶ。皮膚には光沢があり、圧すると陥凹するがすぐに元に戻る。初期には、発熱、悪風、咽痛、咳嗽などの表証を伴うことが多い。舌苔は薄白、脈は浮滑(以上、越婢湯の主治)。越婢加朮湯は浮腫が強く健脾利水の朮を加え、組織内の水を血管内に引き入れ利尿により排泄するもの。

〇より深い理解のために

急性の関節痛で、腫れて熱感あり。自汗、疲れやすい、舌質が淡白等、衛気虚の症候があれば、本方よりは防已黄耆湯などを考慮する。

越婢加朮湯の組成や効能について

組成

麻黄9石膏18生姜9大棗5個白朮6生甘草6

効能

散風清熱・宣肺行水

主治

風湿化熱・風水

 〇散風清熱:風邪と熱邪を発散の方法によって除去する治法である。

 〇宣肺行水:肺気を通じさせて、肺の宣発・粛降機能を調整し、水湿の停滞を治療する治法である。

 〇風湿化熱:風邪が体表に侵入したため肺の通調水道機能が失調し、水湿が滞り、鬱して熱に変化した病証を示す。

 〇風水:風邪の侵入によって肺の宣発・粛降機能が失調して、水気(水液)が順調に運行できない病証(浮腫、関節の痛み、悪風、発熱など)を示す。

解説

越婢加朮湯は風水病治療の「越婢湯」に白朮を加味した処方である。「越婢」には脾(婢)気を発越(奮起)させる意味と、痺(婢)を発越(発散)させる意味がふくまれている。

適応症状

◇浮腫

全身の浮腫、特に顔面部の浮腫に用いる。肺は体表を主っており、風邪の侵入を受けると宣発・粛降機能および通調水道の働きが失調するため水液が停滞し、浮腫が現れる。「傷於風者、上先受之」(風に傷られる者、先ず上にこれを受ける)とあるように、風邪の感受による浮腫はまず顔面部に現れる。

◇身体沈重

水液が四肢・筋肉に停滞しておこる症状である。特に脾虚で、水温を運化することができないときに出やすい。

◇悪風・発熱

風邪が体表から侵入した表証であることを示す症状である。発症しない場合もある。

◇出汗

風の昇発・外泄する特性によって生じる。邪熱が聿液を外へ追い出すと、汗はさらに多くなる。

◇口渇

邪気の性質が熱に変わり、体内の津液を傷耗した症状である。

◇小便不利

水湿と熱邪によって水道が不通となり、尿がすっきりと出ない。

◇舌尖紅・苔腻

鬱熱により舌尖が紅となり、水湿の停滞により膩苔となる。

◇脈浮あるいは沈

表証のときは浮派がみられるが裏水が主になると沈派が現れる。

越婢加朮湯の主な組成薬は麻黄・石膏・白朮である。麻黄は解表、去風作用によって表温を除去し、関節・筋肉が重く痛い痺証の症状を治療する。石膏は裏熱を清する薬で

①邪気の化熱を防ぎながら、すでに化熱した裏熟を清する。

②生津作用によって渇症状をやわらげる。

③寒凉性によって麻黄の辛温性を抑制する。

④薬質が重いので、肺気を下降させ、利水作用を補佐する。白朮は燥湿健脾薬で、利水作用を増強している。

さらに甘草とともに脾胃の運化機能を増強し、体内に水湿が生じることを防ぐ甘草は麻黄の辛温と石膏の辛寒の相反する薬性を調和するほか、石膏の寒凉性が胃を損傷しないように保護している。

臨床応用

◇浮腫

各種の原因による浮腫の初期に用いる。特に風・湿・熱に起因する浮腫に適している。臨床では、急性・慢性腎炎、ネフローゼなどの疾患に用いられる。表証がない浮腫にも用いられる。

 悪寒、発熱など表証の症状が強いとき+「葛根湯」(解表散寒)

 食欲不振、下痢、苔腻など脾湿症状が強いとき

  寒湿性に+「平胃散」(燥湿健脾)

  湿熱性に+「茵陳五苓散」(渗湿清熱)

 腰痛、耳鳴、、など腎虚水湿症状をともなうとき+「牛車腎気丸」(補腎利水)

 浮腫の症状が強いとき+「五苓散」(利水通陽)

◇痺証:麻黄

白朮の去風利湿作用を利用して風湿の邪気を除去し、石膏の清熱作用を用いて鬱熱を取り除くことができるので、風・湿・熱による寒熱挟雑(寒邪も熱邪もある)の痺証に用いる。特に関節・筋肉の紅・腫・熱・痛(局部が赤く。腫れて熱感があり、痛い)がみられるときに適している。

 痺証の疼痛症状が強いとき+「二朮湯」(去風湿)

 または+「桂枝加朮附湯」(通陽散寒・止痛)

◇皮膚疾患

風・熱・湿の邪気が皮膚に鬱滞して生じる湿疹・貨幣状湿疹。結節性紅斑などの皮膚疾患に用いることができる。
 瘙痒感が強いとき+「消風散」(清熱・散風・止痒)

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