手・足がほてる他人にはわからない悩み
手足がほてって、気持ちがわるくなり、冷たいものにあてたり、冷やしたりすると、気分がよくなるという症状である。あるいは、冬でも布団の外へ足を出さずにはいられないという人もいる。
ただし、このほてりは、どちらかというと自覚的な症状で、第三者が手足にふれてみても、必ずしも熱いとはかぎらない。
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原因
これも自律神経失調症によることが多く、神経質な人の体力低下時によくみられる。
また、老人や、大病のあととか産後、夏バテしたとき、胃腸の弱い人、虚弱体質、またはその逆に多血質の人などにも起こる。一種の新陳代謝機能の障害といえよう。
漢方では手足煩熱(しゅそくはんねつ)に効く処方
手足がほてる状態を、手足煩熱といい、漢方では診断のうえでの大切な判断材料となっている。
次のような処方を用いる。
手・足のほてりに効果的な漢方薬
八味丸
老人で、夏になると足がだるく、腰から下に力が足りない感じで、疲れやすい人に。
小建中湯(しょうけんちゅっとう)
虛弱な子どもで、夏になると足がだるい、足がほてるというものに用いる。
十全大補湯
大病したあとや、産後によい。
補中益気湯
胃腸の弱い人の夏バテのときに。
清暑益気湯(せいしょえっきとう)
これも本来は夏バテの薬である。
黄連解毒湯
この処方だけが多血質(実証)の人の薬である。冬でも足がほてって、靴下をはきたくないという、血色のよい人に用いられる。