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赤みの強いじんましんに茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)

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「茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)は赤みの強いじんましんによく使われます」

処方のポイント

肝臓に働きかけ炎症を抑え黄疸を除く茵蔯蒿、小便と大便で炎症熱を体外排出する山梔子・大黄で構成され、強い清熱解毒作用をもつ。山梔子と大黄の組合せにより、赤みの強いじんましん等に適応する。総合的な作用により、むくみ、口内炎等にも応用される。苦味。

茵蔯蒿湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

尿量減少、やや便秘がちで比較的体力のあるものの次の諸症:黄疸、肝硬変症、ネフローゼ、じんましん、口内炎。

漢方的適応病態

肝胆湿熱。すなわち、口が苦い、口がねばる、口渇があるが水分を欲しない、頭汗、いらいら、体の熱感、悪心、嘔吐、食欲不振、油っこいものや匂いで気分が悪くなる、胸腹部の膨満感、尿が濃い、便秘あるいは便がスッキリでないなどの症候で、甚だしければ全身の黄疸、発熱などがみられる。

茵蔯蒿湯の組成や効能について

組成

茵陳蒿30山梔子15大黄10

効能

清熱利湿

主治

湿熱黄疽

◎清熱利湿:熱邪と湿邪を同時に除去する治法である。

◎湿熱黄疽:湿熱の停滞によって、全身や眼球が黄色くなる病症である。黄疸は陽黄と陰黄に分けられるが、茵蔯蒿湯は陽黄に用いる処方である。

 陽黄:急性、発熱、皮膚の黄疽は鮮やかで、口渇、口苦、尿黄疸黄、便秘をともなう。(主に湿熱黄疸)

 陰黄:慢性、微熱、皮膚の黄疸は黒ずんで、疲労倦怠感、軟便をともなう。(主に寒湿黄疸)

解説

茵蔯蒿湯は湿熱黄疸を治療する主方で、『傷寒論」の中でも数少ない寒凉性の処方である。

適応症状

◇黄疸

皮膚の色は蜜柑の皮のように鮮やかな黄色を呈する。時疫の邪気(伝染性のある邪気)が表から裏に侵入して熱に変化したものや、脾胃の運化機能失調によって内蘊した湿熱(湿邪と熱邪が体内に鬱滞する)が肝胆に移行すると、胆汁が邪気に燻蒸されて外に溢れ出て黄疸となる。

◇腹満

腹部が脹って膨満感のある症状を示す。粘りの強い湿が気滞をひきおこす(湿阻気滞)症状である。

◇ロ渇

湿邪が津液の分布を阻害したため、喉を潤すことができなかったり、熱邪が津液を損傷することによって生じる症状である。

◇口苦

湿熱の邪気によって胆汁が燻蒸され、上に溢れ出る症状である。

◇頭汗

頭だけに汗が出る症状を示す。湿熱の邪気が上に蒸し上がることによって生じる。

◇食欲不振

湿邪が脾胃の運化機能を障害すると、食欲がなくなる。

◇小便黄色・小便不利

熱邪によって尿は黄色くなり、湿熱が停滞して水液の通路を塞ぐと尿が出にくくなる。

◇便秘

湿熱の停滞によって、津液が腸を潤すことができなくなり、さらに熱邪が津液を消耗すると便秘になる。

◇苔黄膩

熱邪を示す黄苔と湿邪を示す膩苔がみられる。

◇脈滑数

湿を示す滑脈と熱を示す数派がみられる。

茵陳蒿は苦味によって燥湿し、寒性によって清熱する。脾・胃・肝・胆に帰経するので、脾胃・肝胆の湿熱黄疸を治療する主薬である。山梔子と大黄も清熱瀉火の作用に優れており、茵陳蒿の清熱作用を増強する。山梔子には利水作用があり、水液の通路である三焦を通じさせ、湿熱の邪気を尿から体外へ排除する。大黄には通便の作用があり、腸胃の実熱を瀉下させて、湿熱の邪気を便によって体外へ除去する。

臨床応用

◇黄疸

湿熱による黄疸に用いる。急性黄疸型の肝炎のほか、慢性肝炎、脂肪肝、胆囊炎、胆石症、あるいは他の疾病に黄疸がみられる場合にも茵蔯蒿湯を使用できる。方剤を組成する薬味が少ないので、黄疸にともなう兼証によって、他の方剤を併用する。

◎発熱と寒けが交互におこるとき+「柴胡湯」(清熱・疏肝)

◎胸脇脹満をともなうとき+「加味逍遥散」(舒肝・健脾・清熱)

◎悪心嘔吐・食欲不振のとき+「小半夏加茯苓湯」(和胃・降逆止嘔)

 茵陳蒿は退黄作用に優れているので、陰黄に併用する場合もある。

◎寒湿性の黄疸(陰黄)のとき+「茵陳四逆湯」(茵陳蒿附子・乾姜・甘草)(回陽散寒)

◇湿熱内蘊

茵蔯蒿湯は黄疸をともなわない湿熱內蘊証(体が重い、微熱食欲不振、苔黄腻脈滑数など)にも用いることができる。特に夏・秋は湿熱が侵入しやすく、飲酒、油っぽい物の過食などは湿熱を生じさせることが多い。病名がはっきりしなくても、湿熱停滞の人は意外に多い。大黄が配合されているので、便秘をともなうときに適している。

注意事項

①大黄は通下作用が強いので妊婦には禁忌である。

②陽黄を対象として組成されているため、原則的には陰黄、あるいは寒湿停滞証に不適当である。

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