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甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)は気持ちが落ち着きます

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「甘麦大棗湯は甘くて小児にも飲みやすく、気持ちが落ち着きます」

処方のポイント

甘味があり緊張感を和らげる甘草を中心に、甘草の作用を補佐する小麦、消化器機能を高める大棗で構成精神の安定化に働き、不眠不安等の神経失調の諸症状に適応。甘味で、温服が効果的。

甘麦大棗湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

夜泣き、ひきつけ。

漢方的適応病態

臓躁。すなわち、不安感、悲哀感、驚きやすい、寝つきが悪い、眠りが浅い、頭がボーッとするなどの心血虚の症候に、食が細い、あくびがよく出るなどの脾虚の症候を伴うもの。甚だしければけいれん、意識喪失を来す。

より深い理解のために

臓躁とは、ヒステリー様の症候をいうが、心血虚と脾虚の軽度のものと考えられ、軽い栄養不良に伴う脳の抑制過程と興奮過程の失調状態と推察する。

甘麦大棗湯の組成や効能について

組成

甘草9小麦9大棗6

効能

養心安神・和中緩急

主治

心気陰虚

〇養心安神:心の気と陰血を養うことによって、蔵神機能を調える治法である。

〇和中緩急:気血生化の源である中焦の脾気を補益して、心の気を養い、煩躁不安などの症状を緩和させる治法である。

解説

甘麦大棗湯は甘味のある穏やかな補益薬によって組成された処方である。心・脾・肝の3臓を調節する働きがあるが、主として心の病証に用いる。『金匱要略』では臓躁を治療対象としている。

〇臓躁:心の蔵神機能が低下したために現れる煩躁不安、悲しくなったり、落ち着かないなど、ヒステリー様の症候を示す。肝鬱およびしの気陰不足に起因することが多い。

適応症状

◇憂鬱・あくび・ため息・情緒不安定・幻覚

慢性疾患あるいは長期的な精神的緊張などの原因によって、臓腑(特に心)の陰血塊傷されると、心の神明を蔵する機能力低下する。神明は精神、意識、思惟活動を指しており、神明が舎(心)を守れなくなると、各種の精神症状が現れる。肝鬱をともなう場合は、特に精神憂鬱の症状が強くなる。

◇心煩・不眠

心の陰血不足によって生じた虚熱が心神を攪乱すると現れる症状である。

◇舌紅・少苔

舌苔が少ないのは陰血の不足を示し、紅舌は虚熱が強いことを示す。

◇脈細数

陰血の不足を示す細脈と虚熱を示す数脈が現れる。

心の病には麦を食べれば効果があるといわれる小麦は甘味があり、ゆっくりと心の気陰を補益し、さらに肝気も養う(肝は心の母)ことができ、心と肝の両臓から精神症状を改善する。甘草は主に脾気を補う。脾気が補益されると、心の気も充足される。大棗は潤いのある薬で、肝血を補益して、子臓である心の陰血を養い、臓躁を潤すことができる。本方には温と涼の相反する薬性があり、心の陰陽を調節できる。補益に重点を置いた穏やかな処方である。

臨床応用

◇精神疾患

ヒステリー、精神册、症、鬱症、神経衰弱、不眠症、夢遊症、夜泣き、自閉症更年期症候群などに用いられる。本方の安定作用はさほど強くないがゆっくりと心を養うことができる。精神疾患によって身体の正気が消耗され、虚弱になった場合に適している。

〇胸脇脹満、イライラ、怒りっぽい(肝鬱)とき+「逍遥散」(疏肝健脾)

                        または+「半夏厚朴湯」(理気化痰)

〇不眠をともなうとき+「酸棗仁湯」(養血清肝)

〇更年期障害のとき+「六喇也黄丸」(滋補腎陰)

         または+「知柏地黄丸」(滋陰降火)

〇不安感が強く興奮症状があるとき+「柴胡加竜骨牡蛎湯」(清肝鎮静)

◇不整脈

心を養うことによって、心の「血脈を主る」機能を調節することができる。

〇息ぎれ動悸(心気不足)のとき+「炙甘草湯」(益気養血)

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