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知ってましたか?漢方薬の選び方と7つのポイント

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漢方画像日本の医療現場では、治療方法の一つとして、漢方薬を利用することが一般的になってきました。漢方薬に含まれるさまざまな生薬の薬理作用は、そのすべてが解明されたわけではありませんが、天然の素材を用いたマイルドな効果や、西洋医学(現代医学)にはない、いわゆる体質改善などのからだとこころの全体におよぼす効果などが期待されています。また、選び方を考えるうえで、西洋薬とともに使用されその効果を高めたり、副作用の軽減。防止などの目的で統合医療としても用いられています。大切なことは東洋医学と西洋医学のどちらがよりすぐれているかということではありませんので選び方は多種多様です。それぞれに得意、不得意とする領域があるので、その得意な領域を把握したうえで、より効果があって自分に適した薬や治療法を、医師、薬剤師と相談して選び方を考えましょう。

漢方治療が得意な範囲

漢方薬(湯液)は、鍼灸、マッサージ、気功、養生(食養など)などとともに漢方医学(伝統的東洋医学全体をさす)の一つです。漢方医学のうちでも、代表的な治療法といえるものが漢方薬(漢方方剤という)です。

漢方では、患者さんの証(体格病態、症状などを統合的に診断し、評価したもの。)に基づいて、数種類の生薬を組み合わせた処方を選びます。この漢方薬の複合された薬効成分によって一つの症状だけでなく、からだとこころ全体を緩やかに改善させる効果が期待できます。また、不定愁訴とよばれるはっきりしない不調や違和感、精神的ストレスからくる症状、生活習慣からおこってくる症状や病気(高血圧、糖尿病などの生活習慣病)、アレルギーによるせき·かゆみなどに対しても、数種類の生薬による相互効果によって改善してゆくことができます。逆に、がんのように手術が必要な場合虫垂炎などの急な腹痛、インフルエンザなどの急性感染症、大出血などの救急処置が必要な場合などでは、漢方薬はその効果を十分に発揮できません。これらの場合には、即効性のある西洋薬や西洋医学による手術などの処置を受けるほうが、より速やかで確実な効果を得られます。漢方薬での医療を受ける前に、まず、自分の症状が漢方薬の治療に向いているのか、西洋医学の治療に向いているのかを考えた上で選び方を判断することが必要です。

一人一人違う漢方処方

漢方薬は「証」に基づいて処方を決定します。証を診断するためには、四診とよばれる漢方の基本となる診断方法が行われます。漢方薬の選び方を語るうえでの基本となります。四診とは、四つの方向から患者さんを診断することです。四診は患者さんのからだの表面から診断するものですが、そこから得られる証には、患者さんのからだの状態だけでなく、生活習慣·心理状態·社会的状態などが反映されています。証は、患者さんのからだとこころを包括した、患者さん全体を評価した概念と考えてよいでしょう。そのため、証には患者さんの「個別性」がよく表れています。たとえ同じ腹痛を訴える人がいたとしても、年齢、生活習慣や食べ物の好み、生活環境などは人それぞれです。そこで同じ症状であっても、証がちがってきて、処方される漢方薬の選択も人によって変わってきます。
漢方の基本となる「気」「血」「水」や「虚実」については後述しますが、ここでは、証の決定に重要なポイントとなる腹部の症状を解説します。正確な証の診断は、専門家でなければむずかしいのですが、仰向けに寝て脚を伸ばした状態で、自分で触っても確認できるので、漢方薬の選び方で重要な自分の腹部の証を把握しておきましょう。

腹部の証の確認

胸脇苦満(きょうきょうくまん)

みぞおちから両脇にかけて重苦しい感じがあり、腹筋が張っています。そこを押すと抵抗を感じ、息がつまるような痛みがあります。柴胡(さいこざい)を中心とした処方(柴胡剤)を、虚実に応じて選択します。

胃内停水(いないていすい)

心下振水音ともいいます。みぞおち(胃のあたり)を軽くたたくと、ピチャピチャという水が揺れている音(振水音)がします。胃下垂、胃アトニーなどで胃が下がっている人に多くやせ型の人にみられます。

心下痞硬(しんかひこう)

みぞおちがつかえて硬くなっています。みぞおちのあたりを押すと、強弱さまざまな抵抗や痛みを感じる状態です。黄連、人参を配合した処方を選択します。

瘀血(おけつ)

瘀血は、「血」が体内で滞った状態で、顔色の悪い人、痔や月経不順のある人などにみられます。へその周囲や右脇腹を押すと痛みがあります。その他の症状に、目の下のくま、顔の皮膚が黒っぽい、顔や胸に毛細血管が浮かびあがる。舌の赤黒さ、肌荒れ、熱感、手のひらの赤みなどが現れます。駆瘀血剤を用います。

臍上悸(せいじょき)

へそのすぐ上あたり(腹部大動脈)に動悸を触れる状態です。桂枝、黄速、地黄、大棗、甘草などを配合した処方を選択します。

臍下不仁(せいかふじん)

へその上に比べ、へその下や下腹部の腹力が弱い状態で加齢や体力消耗の表れと考えます。

腸の蠕動亢進(ちょうのぜんどうこうしん)

腹部の腸の動きがよく見える状態で、腹力が弱くなっています。腸閉塞をおこしかけている人などにみられます。大建中湯(だいけんちゅうどう)を選択します。

腹直筋緊張(ふくちょくきんきんちょう)

左右両方または左右どちらかの腹直筋が硬く緊張している状態です。芍薬(しゃくやく)を配合した処方を選択します。

医師、薬剤師に相談する選び方

漢方薬を服用してみたいという人は、漢方を専門にする医師、漢方専門の薬局で一度、相談してください。ただし、医療施設によっては、漢方治療に健康保険がきかないこともあります。保険適用があるかないかは選び方の重要なポイントとなります。

また、近くの漢方専門医や漢方薬局を探すときは、保健所に問い合わせると教えてもらえます。自分に合った漢方薬を知るためには、なるべく漢方の専門医で、正確に証を診てもらい、漢方薬の選び方について聞きましょう。

漢方専門の医師に処方してもらう

漢方専門の医師を受診するときは、自分で選び方を考えるよりも的確です。次のようなポイントをあらかじめ整理しておき、受診時に的確に答えられるようにしておきましよう。

①気になっている症状は何かいつからおこっているか。
②症状が悪くなるのは、どんなときか(季節や天候、食事との関係、疲労時やストレスの有無など)
③食欲や睡眠時間はどのくらいか。
④寒がりか。暑がりか汗をかきやすいか。
⑤胃腸はじょうぶなほうか。下痢や便秘があるか。
⑥生活習慣はどうか。運動は行っているか。
⑦心臓病·腎臓病·高血圧などの持病をもっているか。

上記の7つのポイントを漢方薬の選び方を考える前にチェックしておきましょう。

漢方専門の薬局で処方してもらう

漢方専門の薬局で漢方薬を選ぶ場合は、まず薬剤師に自分の症状や状態を相談してください。そのときも、前述の①~⑦までのポイントをあらかじめ整理しておき、薬剤師に伝えるようにしましょう。その上で選び方をご相談下さい。

鍼灸師や柔整師の資格をもっている漢方薬局では、腹部の証まで診てもらうことができますが、それ以外の漢方薬局薬店では、診療行為にあたるため腹部の証を診ることができません。あらかじめ自分で、腹部の証を確認したうえで薬剤師に相談するとよいでしょう。

とくに、漢方専門の病院や薬局で煎じ薬を購入する場合は、生薬を調整してもらい、自分に合った処方にしてもらうことが可能です。

自分で探す。市販の漢方薬の選び方

市販されている漢方薬を自分で選ぶときには、漢方薬のパッケージに書かれている注意書きをきちんと読んで納得したうえで購入しましょう。たとえば「かぜには葛根湯」と思い込んでいないでしょうか。かぜの場合でも、発熱、せき、たん、くしゃみ、鼻水などの症状の程度、その人の体力、年齢などによって、桂枝、湯、小柴胡湯、桔梗湯などのたくさんの処方が用意されています。まずは、自分の症状や状態と照らし合わせて、もっと
も合った漢方薬を選ぶようにしてください。購入した漢方薬が、自分に合っていないときや、十分な効果が得られないとき、副作用と思われる症状が現れたときには、服用を中断し、医師や薬剤師に漢方薬の選び方を相談するようにしてください。

まとめ

漢方薬を購入するにあたり、選び方がやはり自分ではわからない。そんなときは漢方外来に行くことをおすすめします。自分で考えて、自ら薬局で漢方薬を購入したとしても、漢方外来に行った方が安くつくケースが多いです。市販されている漢方薬は内容量も少なければ、価格でも保険が適用される漢方外来での処方の方が安価で済むことも。漢方薬の選び方の選択肢の一つとして、一度試してみるのも良いかもしれませんね!

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