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漢方薬とは一体なんなのか。どんな効能や効果があるの?

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一言で漢方薬とは、と言っても簡単に説明出来るものではありません。長い歴史の中で様々な事に活用されてきました。そこには長い歴史があります。まずは歴史を紐解き、現代に至るまでの漢方の在り方と、日本の漢方薬に関するルーツを知る事から始めましょう。ただ興味本位でしか見ていなかった方も、この記事をご覧になる事で、漢方の魅力に惹かれ、一度自分も試してみようかな?と思うかもしれませんね。それではまずルーツから確認していきましょう。

漢方薬の歴史

古代中国に発するこの経験医学が日本に導入されたのは5~6世紀頃。
日本の風土・気候や日本人の体質にあわせて独自の発展を遂げ、わが国の伝統医学となりました。17世紀頃、特に大きく発展して体系化され、現在へと継承されています。

近代の漢方薬の流れ

1976年 医療用漢方製剤が健康保険の適用となる。
1983年 医師東洋医学研究所を前身して、東方医療振興財団の設立。
1987年 医療用漢方製剤147処方が改めて薬価基準収載。
日本漢方生薬製剤協会「医療用漢方エキス製剤GMP」自主基準を策定。
1991年 日本医学会分科会に日本東洋医学会が登録
2001年 医学・薬学教育のコアカリキュラムに漢方医学が採録
文部科学省 医学教育モデル・コアカリキュラムに「和漢薬を概説できる」が採録。

生薬と漢方薬の違いとは?

 

生薬とは

生薬とは、植物や動物、鉱物など、天然の薬効を持つ素材をそのままあるいは簡単な加工を施した天然物のこと。例えば、みかんの皮を乾燥させたものは陳皮(ちんぴ)という生薬で、胃の調子を整える効果があるものや、杏仁豆腐で有名な杏仁(あんにん)は、杏子の種子で、咳を止めたり、痰を取り除いたり、便通を改善するような効果がある。ナツメの成熟した果実を乾燥させた生薬の大棗(たいそう)は、体を温める効果や滋養強壮、高血圧予防などに効果がある。

中医学では、個人の体質に合わせて生薬の組み合わせによるオーダーメイドの処方を行うことが多く、処方された生薬を決められた量の水で煮だした、煎じ薬として服用を行う。また中医学では、生薬を一般的に「中薬」と呼び、「漢方薬」と称することはない。

 

漢方薬とは

漢方薬とは、中国の古典や臨床経験に基づいて、所定の生薬を定められた量で組み合わせた薬物で、「漢方方剤」とも呼び、既に生薬の配合比、量は決まっている。漢方医学では、この漢方方剤を使用した漢方薬での治療方法が多く用いられる。

生薬と漢方薬の違いとは?どんな時に漢方薬が有効か?

二千年前に書かれた漢方医学の書物、「黄帝内経(こうていだいけい)」には既に未病という言葉が用いられている。

未病は、病気ではないという意味ではなく、放置すると「重篤な病気(症状)」につながる状態と考え、事前に漢方薬で対処することができる。

西洋医学的な検査で見つからない状態の病気の段階を漢方薬で、体質から治すことで、自己免疫力が上がり、重篤な病気(症状)となる前に治すことができる。

更年期障害や不妊症、認知症、うつ病などが治ることに加え、二次的に疲れやすい・冷える・頭痛・めまい・胃もたれなど多岐にわたる不調が漢方薬を用いる事で同時に改善される

下記の疾患等にも漢方薬は有効。

  • 婦人科疾患(更年期障害・不妊症)
  • 神経変性疾患、加齢性疾患(認知症・パーキンソン病)
  • 現代ストレス疾患(うつ病・不眠症)など
  • 虚弱体質、アレルギー体質などの体質改善
  • クローン病、潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患)
  • がん(悪性腫瘍)
  • 重度のアレルギー(アトピー性皮膚炎・喘息)
  • 膠原病(自己免疫疾患)
  • 甲状腺機能亢進症、低下症
  • 循環器疾患(高血圧症脳梗塞・肥大型心筋症)
  • 生活習慣病(糖尿病、高脂血症・抗尿酸血症)

生薬と漢方薬の違いとは?中医学(漢方)の診察技法である四診について

中医学(漢方)では、下記の診察方法を用いる。

【望診】

望診とは、目で見える情報から、体の状態を把握します。

体全体の体格や動作、顔色、目の状態、皮膚、爪、頭髪、口唇などを観察する。

舌の観察をする「舌診」は、望診に分類される。

【聞診】

話し方や口・体の匂いから体全体の虚実を診察する方法。

聞診では、声の調子や口臭、話し方などから診察します。これによって体の何が不足しているのか、何が過剰なのかを把握する。

問診の項目と結果

項目 状態 考えられる漢方医学的な原因
声が小さい エネルギー不足
声がかすれている
痰がからむような声
水分の過剰(水毒)
大きく力強い声 体に熱がこもっている
エネルギーの過剰
呼吸 呼吸が荒い エネルギーの過剰
肺に熱がこもっている
弱く、早い呼吸 エネルギー不足
吐く息が長く息苦しい 喘息時に見られるエネルギーが

過剰なタイプの呼吸

吐く息が短く息苦しい 肺気腫や心不全の時に見られるエネルギー不足なタイプの呼吸
匂い 酸っぱい匂いの口臭 胃の消化機能が低下し、胃に食べ物が停滞している状態
腐った匂いのある口臭 歯周病、口内炎、虫歯など口の中に異常がある場合
分泌物に悪臭がある 熱が体に異常にこもった状態
乾燥性の咳がある 肺の水分が失われている
痰がからんだ湿った咳がある 肺に余分な水分がたまっている
弱々しい咳がある エネルギー不足

【問診】

漢方の問診で大切なことは、主訴や疾患だけにとらわれず、全身状態をよく聞いて全体の状況を把握することである。

問診では、病歴などの他に、寒がりや熱がりなどの体質を知ることが重要である。

食時の摂取状況と便通の状況では、少し食べただけで胃が張るのは気が停滞している状態であり、食べると眠くなるのは消化機能の低下(脾虚)、口が渇くなどの症状は、水の滞り(水毒)や体内に熱がこもっている(湿熱)状態を表す。月経不順や月経周期により変動する症状(イライラ、不安感、頭痛など)は血液の循環不全(瘀血)を表す。

こういった状態は全て、問診から聞き出す必要があるため、問診は重要となる。

問診票は下記の通りとなる。

monshin

 

【切診】

触覚を用いた診察。脈やお腹に触れ抵抗感や圧痛の有無などで判断する。

直接体にさわって診察する方法で、「脈診」や「腹診」といった診察方法がある。

脈診の方法

相手の手首に、図のように中指を手首の親指側にある骨の突起に合わせて置きます。そのまま中指の指先と接触させるように人差し指と薬指を置き脈に触れます。

左右6カ所の脈を同時に比べ、違いを診ます。

相手の左手首の人差し指から「心・肝・腎」右手首の人差し指から「肺・脾・心包」と、 東洋医学的内臓の診たての状態も反映されます。

脈は、自分自身のセルフチェックとしても使えます。セルフ脈診と呼ばれ、毎日自分の脈をチェックすることで、体調の変化をいち早く察知することができます。セルフ脈診の方法は、親指側の手首の脈を反対側の中指、人差し指、薬指を使ってみていきます。正常な場合、定期的にトントントンと一定のリズムで脈を感じられます。不整脈だった場合、脈が速くなる、遅くなる、ときどき飛ぶ、不定期でいつ来るか分からないなどの症状が出ます。正常な場合、定期的にトントントンと一定のリズムで脈を感じられます。不整脈だった場合、脈が速くなる、遅くなる、ときどき飛ぶ、不定期でいつ来るか分からないなどの症状が出ます。セルフチェックで異変に気がついたときは医師又は薬剤師へ相談するように勧めてください。

腹診の方法

受ける側の方に手足を伸ばしてもらい、手指と掌を使って、触診していく。

触るポイントとなる場所は、下記の図の通りで、圧痛やしこり、お腹の水分状態などを調べる。

四診から分析する体質と漢方薬処方例

気虚体質の漢方薬処方例

体質分類:気虚体質

身体のエネルギーが不足した体質のこと

治療ポイントは、体内へ不足したエネルギーを補うこと

 

問診から得られる情報

・便秘や残便感がある

・めまいがある

・汗をかきやすく、疲れやすい

・性格が内向的で情緒不安定

・物忘れが多い

・風邪を引きやすいなど

 

望診から得られる情報

・唇の色が白い

・瞼がむくんでいる

・髪の毛につやがない

・顔色が黄色い

・舌が淡い紅色で、下の両縁に歯の痕がついている

 

切診から得られる情報

・脈がやや遅い

 

聞診から得られる情報

・話声が小さい

気虚体質の漢方薬処方例

・六君子湯(りっくんしとう)

・補中益気湯(補中益気湯)

 

瘀血体質の漢方薬処方例

体質分類:瘀血体質

血液の流れに滞りのある体質

治療ポイントは、血液の循環を促すこと

問診から得られる情報

・月経不順、月経痛、月経過多などがある

・不眠傾向である

・イライラしやすい

・アザができやすい

・寒さに弱い

・物忘れが多いなど

望診から得られる情報

・唇の色が紫色

・目が充血している

・シミ、そばかす、肝斑ができている

・顔色が暗い、色素沈着がある

・舌が紫色で、下の裏に紫色の静脈の膨らみがある。

 

切診から得られる情報

・脈が細い

・下腹部が突っ張っていて押すと刺すような痛みがある

聞診から得られる情報

・話し方が早い

瘀血体質の漢方薬処方例

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

痰湿体質の漢方薬処方例

体質分類:痰湿体質

水分の流れや代謝に滞りのある体質

治療ポイントは、代謝の循環を促すこと

問診から得られる情報

・月経不順、月経痛、月経過多などがある

・不眠傾向である

・イライラしやすい

・アザができやすい

・寒さに弱い

・物忘れが多いなど

望診から得られる情報

・唇の色が紫色

・目が充血している

・シミ、そばかす、肝斑ができている

・顔色が暗い、色素沈着がある

・舌が紫色で、下の裏に紫色の静脈の膨らみがある。

切診から得られる情報

・脈が細い

・下腹部が突っ張っていて押すと刺すような痛みがある

聞診から得られる情報

・話し方が早い

痰湿体質の漢方薬処方例

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

随証治療とは?

随証治療

漢方の適応症状と現在感じている不調を基に適応する漢方薬の処方を選択する治療方法のこと。

判定した病態(証)がどの処方の適応症に合致するかを選択する。言い換えれば診断結果を具体的な処方に収束させる。決定された証に従って治療する随証治療が大きな特徴である。

同病異治(どうびょういち)

同じ病気でも、症状に合わせて選択する漢方が異なることを表す言葉。

虚・実について

実証の人の特徴とは?

・頑丈で元気があり健康な体質の人

・疲れにくい

・食欲があり、やや過食傾向

・暑がり

・風邪を引きにくく、治りやすい

・肥満傾向で、胃下垂がない

・胃腸が丈夫

・メタボ、糖尿病など

虚証の人の特徴とは?

・元気がない、虚弱な体質の人

・疲れやすい

・食欲がない

・寒がり

・風邪を引きやすく治りにくい

・胃下垂がない

・胃腸が弱い

・多愁訴で神経質

・痩せ型

・慢性難治疾患、COPD

・高齢者など

まとめ

以上の様に漢方薬というものは、その人の体質や状況に応じて、様々な種類のものから処方され、深く掘り下げれば掘り下げるほど奥深く歴史の長い薬です。まだまだ一般的には知られていませんが、漢方薬は厚生労働省が認可しており、保険が適用される薬です。多くの方が薬局で漢方薬を購入しているのですが、病院に行って医師に処方してもらえば何分の一の価格で手に入れる事も可能です。

この機会に一度漢方外来をお試しいただくのも良いかもしれませんね。

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