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気になる漢方医学の診療方法について説明します

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以前より漢方医学は、からだにやさしい医療として多くの人に受け入れられてきました。また、医療機関の九割ほどでは、漢方薬を日常的に処方しています。

身近になっている漢方医学ですが、あらためて現代的な西洋医学との得意分野の
ちがいや漢方医学の診療方法を確認しておきましょう。

 

漢方医学と西洋医学の違い

漢方医学は、未病、すなわちいまだ病気が完成していない状態(半健康、半病人の状態)に対して高い有効性をもっています。いっぽう、西洋医学(現代医学)では、未病の状態に対しての有効性は低いといえましょう。しかし、手術可能な病気や細菌感染といった病態に対しては、西洋医学はたいへん有効です。また、病気が終末期まで進行した場合には、再び漢方医学の有効性が発揮されてきます。このように、おのおのの医学の方法論の適応と限界を知り、上手にそれらを使い分けていくことが良い診療をするうえでたいへん大切です。

①漢方医学は自然な方法であり、患者さんという人間を総合的·包括的·個別的に診断する医学です。西洋医学は人工的な方法で、徹底的に分析的に診療する医学です。

②漢方医学は体質予防的で、未病を治すことが大きな目的です。西洋医学の予防は、感染症の予防など公衆衛生的ですが、漢方医学の予防(未病)はむしろ個人衛生的なものです。

③漢方医学では、病名がどうあれ、その人の証がわかれば治療できます。たとえ致死的で、手遅れの状態であっても治療手段が見出せます。西洋医学では、診察から導かれた診断名によって治療法が決まります。

④本質的に漢方医学は個別性の医学であり、西洋医学は普遍性の医学(エビデンス)です。

⑤漢方医学の特徴は、「未病を治す」と「瀉法、補法のバランスをとる」ことにあり、原因ではなく、今、ここでの現況に対して「証」を診て、治療へと誘導します。西洋医学ではまず「なぜ」と問うてそれに答えていく診療方法をとります。

⑥「なぜ」病気になったかと原因を追及し、その原因を除去しようという医学をパソジェネシス(病因追及論)といい、西洋医学がそれにあたります。一方、「いかに」健康に戻すか、健康な部分をより活性化させ、歪みを是正しようという医学をサルトジェネシス(健康創成論)といいます。東洋医学や心身医学がこれにあたります。両者は相補的ですので、全人的医療の文脈の中で使い分けてゆくことが必要です。このちがいすぎる西洋医学と東洋医学を結びつけるために、心身医学があります。心身医学を橋渡しとすることで、はじめて全人的医療・患者中心医療が可能となります。

漢方医学の特徴

漢方医学の実践の現場では、治療者(医師、薬剤師)と患者さんとの関係がよくなることがみられます。漢方医学を実践する医師は、漢方薬を処方するために、その人のからだをよく診なければなりません。すなわち、四診をていねいに行わなければなりません。これが医師と患者さんとの関係をよいものにします。それは、患者さんはからだをていねいに診断してよく話を聞いてくれる医師を歓迎するからです。漢方医学では、四診により患者さんのからだの情報を緻密にとっていくことが、診断のための最大の診療方法論になっています。これは、医療の根本であり、それは治療者である医師の手を、患者さんの患部にどう当てるか(手当て)、また苦しんでいる患者さんの心をどう受け止めるかということです。治療者の人間的な温かい手を患部に当てる、ここから治療関係が始まります。しかし、現代の医療では、ここがおろそかになり、検査ばかりになっているのは残念です。

からだからこころへのアプローチ

漢方医学のもう一つの特徴をあげると、それはからだからこころに入っていく、アプローチであるということです。多くの生活習慣病は、患者さんのからだを苦しめるだけではなく、こころも、さらにその社会環境までも侵してしまいます。漢方薬を服用することは、単に薬を飲むだけのことで、特別な精神療法をしているわけではありません。しかし、漢方薬のなかには、からだの治療薬のみならず、こころの治療薬も配合されている場合があります。抗不安薬や抗うつ薬などをあえて処方しなくても、漢方薬のなかにはじめから含まれていることが多く、患者さんも意識することなしに、からだのみならず、こころの病態も治療できます。また、四診の過程のなかで、治療者は患者さんを受容してゆきます。これも大切なことで、患者さんは十分なカウンセリングを受けたのと同じ効果を得ます。知らず知らずのうちに、患者さんは治療者に全人的に受け止められてゆきます。こうしてからだからこころに入ってゆく診療方法には無理がありません。

「証」に従って治療

さらに、漢方医学の大きな特徴には、「随証療法」があります。これは、正しく「証をとり、それに従って治療することをいいます。その治療の原則は、大きすぎるものは取り(瀉法)、不足しているものは補う(補法)という、「瀉」と「補」のバランスをとることです。この方法では、かりに病名がわからなくても、また現代医学的には、診断はついても治療法がない場合にも、診療方法を導き出すことができます。

漢方の本質は養生

漢方医学の本質は養生にあります。これは、自己破壊的生活習慣から脱却し、健康的なライフスタイルを創造することです。養生を通じて未病を治すことにもなります。医師と患者さんは、ともにその生活習慣上の特徴、個別性を認めたうえで理解してゆかねばなりません。

①自己破壊的な生活習慣を形成していないか、ストレス管理、

日々の運動、食事(動物性たんぱくの食べ過ぎ、飲酒、たばこ、睡眠不足、排泄のコントロール(下痢便秘)など。

②徹底したリラクセーションをはかっているか。

③生かされて生きている自らの生命への気づきを十分もっているか、自らの体感や感情の変化に気づいているか、自分固有の生きる意味に気づいているか。たとえば瘀血の治療に関しても、漢方薬の服用以前の問題として、患者さんの日常生活に照らして振り返ってみなくてはなりません。こうした養生を抜きにして漢方薬のみを使用するというのは、医療としては十分ではありません。

漢方医学の診断方法

【望診】患者さんをよく観る診断方法のことです。顔色、姿勢、舌の色などをよく観ることで、現代医学では視診になります。
【聞診】声の調子を聞く、においを嗅ぐ、味をみることなどです。その人の体力の状況に応じて声の調子も変わってきます。そうした声の状況までも上手に把握するということは、漢方医学の特徴です。
【問診】現代医学でいう問診と同じで、その人の主訴(患者さんを苦しめている症状)、現病歴(患者さんを苦しめている病気はどのように進展してきたか)、既往歴(過去にかかった病気)、家族歴(家族のかかった病気)、生活歴(プロフィール)、その他の自覚症状などをよく聞く診療方法のことです。
【切診】「切る」と書きますが、患者さんのからだを切るのではなく患者さんのからだに触れること、接触して診断することです。現代医学でいう触診と同じです。脈診、腹診、背候診、経絡診があり、脈診は脈を診る、腹診は腹部を触る、背候診は背中を触ってその人の脊柱の状態や筋肉の状態を診ること、経絡診は五臓六腑(五臓=肝・心・脾・肺・腎、六腑=大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱)がどんな状態か、そこをつないでいる経絡はどうかなどを診る診療方法のことです。
これらは漢方医学も現代医学も基本的に同じです。しかし、決定的に異なる点は、漢方医学は、すべてからだの表面から診断しようとするものであります。したがって漢方医学の欠点は、内臓の解剖学が発達しなかったことです。ところが現代医学では解剖学が発達し、からだのなかから診ていこうとするもので、アプローチのしかたがずいぶんちがいます。体の表面には静脈が走り、内側には動脈や内臓があります。漢方医学は静脈の評価に、現代医学は動脈や内臓の評価に優れています。両者を組み合わせることでからだの評価は万全となります(統合医療)。

まとめ

漢方医学の診療方法について書きましたが、いかがでしたか?もし興味があれば、最後に書かせていただきました(統合医療)はおすすめです。漢方医学の診療方法で対応することで、メリットもデメリットも存在します。そんなときに西洋医学との組み合わせにより万全なかたちで対応できるような方法を選択するのも良いと思いませんか?

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