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竜骨(りゅうこつ)の生薬解説です

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別名:龍骨(りゅうこつ)・花竜骨(かりゅうこつ)・土竜骨(どりゅうこつ)

新生代のシカ類・サイ類・ゾウ類・マンモスなど古代の大型哺乳動物の骨の化石を用いる。これらの歯牙の化石は竜歯(りゅうし)という。中国では山東、山西、陝西、四川省などに多く産するが、日本でも江戸時代には瀬戸内海沿岸や海底から産出したといわれる。竜骨には中国の華東地区に産する花竜骨と、華北・東北地区に産する土竜骨とがある。花竜骨は全体に淡黄白色ないし灰白色で、青灰色や赤褐色の斑紋や花紋があり、層に分かれて色の模様がみられる。土竜骨は白竜骨ともいい、白色ないし灰白、黄白色であり、断面も白い。花竜骨は質が脆く、砕けると粉末状になるが、土竜骨は質が硬く、破砕すると小片状になる。一般には花竜骨のほうが品質がよいとされているが、日本に輸入されているのは主に土竜骨である。成分は炭酸カルシウム、リン酸カルシウムであるが少量のアミノ酸、微量元素としてケイ素、鉄、アルミニウム、マンガン、マグネシウム、ストレンジウム、ジルコニウム、ルビジウム、チタン、亜鉛、銅、クロム、硫黄、ウラン、ヒ素、ヨウ素、イットリウムなども検出されている。漢方では鎮静・安神・平肝・固精の効能があり、癲癇や神経症、不眠、盗汗、遺精、出血、下痢などに用いる。竜骨は生で用いると鎮静作用が強く、焼いて用いる(煅竜骨)と収斂作用が強まる。また煅竜骨は外用すると収斂作用があり、皮膚の潰瘍や分泌物の多い湿疹に白礬などと配合して用いる。

①鎮静作用

不安神経症や精神病、眩暈などに用いる。癲癇や精神病、動悸、不眠、いらいら、煩躁などに柴胡・牡蠣などと配合する(柴胡加竜骨牡蠣湯)。不安神経症や多夢・性的神経症などには桂枝、牡蠣などと配合する(桂枝加竜骨牡蠣湯)。高血圧などによる眩暈には牡蠣・代赭石・亀板などと配合する(鎮肝熄風湯)。

②収斂作用

下痢、盗汗、遺精などに用いる。自汗や盗汗には牡蠣・五味子などのほか、陽虚自汗には黄耆・白朮・附子、陰虚盗汗には生地黄・白芍・麦門冬と配合する。下痢が悪化して黒色便が出て、腹痛があるときには阿膠・赤石脂・附子などと配合する(正観湯)。腎虚による遺精に蓮鬚・牡蠣などと配合する(金鎖固精丸)。

処方用名

竜骨・花竜骨・生竜骨・煅竜骨・リユウコツ

基原

古代(おもに新生代)の大型哺乳動物の化石。種々の原動物が知られ、おもなものにゾウ類のStegodonorientalisOwen、サイ類のRhinocerossinensisOwen、ウマ類のHipparionsp.、シカ・ウシ類のGazellagaudryiSchl.などがある。

性味

甘・渋、平

帰経

心・肝・腎

効能と応用

方剤例

鎮心安神

桂枝加竜骨牡蛎湯・枕中丹・安神定志丸

心神不寧の動悸・健忘・不眠・多夢・驚きやすいなどの症候に、酸棗仁・茯苓・遠志などと用いる。

平肝潜陽

鎮肝熄風湯

肝陰虛陽亢による頭のふらつき・めまいなどに、牡蛎・白芍・菊花・釣藤鈎などと使用する。

収斂固脱

①二加竜牡湯

陽虚の自汗に、黄耆・白朮・附子などと用いる。

陰虚の盗汗には、生地黄・白芍・麦門冬などと使用する。

②竜骨湯・金鎖固精丸

腎虚の遺精には熟地黄・韭子などと、遣尿には桑螵蛸などと使用する。

③竜骨散

脾虚の慢性下痢には、訶子・罌粟殻・赤石脂などと用いる。

④清帯湯

崩漏(性器出血・月経過多など)・帯下には、黄耆・山薬・牡蛎・海螵蛸などと用いる。

生肌斂瘡

皮膚の潰瘍や外傷出血に、枯礬とともに粉末にして外用する。

臨床使用の要点

竜骨は甘渋で重く、重で鎮心し渋で固脱し、浮陽を潜沈する。驚狂煩躁・心悸失眠多夢には重鎮安神に、自汗盗汗・遺精滑精・小便不禁・久瀉久痢・便血・婦女帯下不止には収斂固脱に、陰虚陽亢の頭暈目眩に対しては平肝潜陽に働く。このほか、外用すると吸湿・止血・生肌斂瘡に働く。

参考

鎮心安神・潜陽には生用し、収斂固脱には煅用する。

用量

9~15g、煎服。外用には適量。

使用上の注意

①湯剤では先煎する。

②収斂の効能が強いので、湿熱や実邪には禁忌。

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