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桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)冷えを除き痛みを緩和します。

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「桂枝加朮附湯はからだを温めて、冷えと痛みを取り除きます」

処方のポイント

寒気の感冒に用いられる桂枝湯に、からだを内部から温め冷えを除き痛みを緩和する附子、水分滞留を除く蒼朮を加えたもの。冷えて痛む神経痛、膝関節痛等の症状に適応。甘辛味で、温服が効果的。

桂枝加朮附湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

関節痛、神経痛。

漢方的適応病態

寒湿痺。朮附湯(朮、附子)のもつ散寒祛湿の効能を桂枝湯で補助するもの。

浮腫が明らかなときには茯苓を配合して利尿を強める。

桂枝加朮附湯の組成や効能について

組成

桂枝4白芍薬4生姜1大棗4甘草2附子0.5蒼朮4

効能

通陽散寒・止痛

主治

陽気不通・寒盛疼痛

解説

桂枝加朮附湯は「桂枝湯」に附子と蒼朮を加えた処方である。「桂枝湯」には衛気と営気を調和する作用があり、本方は風寒の邪気を感受した表虚証を治療する方剤である。解表作用は強くなく、主な特徴は陽気を通じさせて、寒邪を除去することにある。陽気不通、寒邪凝滞の疼痛を治療する。

適応症状

◇関節痛・筋肉痛

体内の陽気が不足して、体表を防御する力が弱くなると、風邪と寒邪が虚に乗じて内に侵入し、気血の運行が阻害され「不通則痛」で疼痛颯れる。

◇手足不温

陽気の不足と不通によって、四肢に到達できなくなるために出現する症状である。

◇汗が多い

体表の陽気が不足していることを示す。特に衛気の固摂機能が低下すると、汗をかきカゼをひきやすい症状がみられる。

◇活淡・苔白

舌淡は陽気の不足を示し、苔白は寒邪の侵入を示す。

◇脈緊

疼痛と寒邪の存在を示す脈象である。

筋肉痛は日本の経験方であるため、原著には量が明記されていない、桂枝は陽気と血脈を温通させ、附子の散寒通痺(寒邪を除去して痺証を治療する)作用を増強することができる。

白芍薬は各種の疼痛に用いることが多く、特に関節痛、筋肉痛の緩和には必要不可欠である。附子は辛熱性の強い散寒薬で、走行性をもち関節や筋肉に凝滞している寒邪をとり除くことができ、寒が旺盛な痺証に用いる。附子の散寒作用は止痛作用にも通じるので、痺証による激痛に適している。生姜も附子の散寒作用を増強する。蒼朮は去風湿薬に属し、痺証の主な原因である風邪・湿邪を同時に除去する。

臨床応用

◇関節痛・筋肉痛

関節・筋肉を暖め通利する薬が多く配合されているので寒と湿によって生じる関節の冷え、痛み、重いなどの症状に適している。リウマチ、関節痛などに使用することが多い。

◇脳血管疾患後遺症

桂枝(通絡)、芍薬・大棸(養血)、附子(溫陽)、蒼朮(健脾)などによって、半身不随などの後遺症を改善する。

   活血作用を増強したいとき+「補陽還五湯」(益気活血)

   または+「冠元顆樹(活血化瘀)

  (補陽還五湯:黄耆60g、当帰尾6g、赤芍6g、川芎3g、桃仁3g、紅花3g、地竜3g)

◇陽虚体質の感冒

「桂枝湯」は表虚感冒を治療する基本方剤である。これに附子(温陽散寒)を加えると、虚している陽を温補し、「桂枝湯」の解表作用を増強することができる。日頃から寒むがり、カゼをひきやすい、汗をかきやすいなど陽気不足の人に用いられる。また、産後の体が虚した状態で感冒、汗の症がみられる場合にも用いることができる。

  参考方剤「桂枝加附子湯」:陽虚汗漏(体表を防御する陽気が虚して、汗を固摂する機能が低下し、自ら溢れ出る自汗病症)に用いる。

注意事項

筋肉痛は寒邪と湿邪が主となっておこる痺証(関節痛、筋肉痛)に用いるが、病因がすでに熱化した熱痺(発熱、関節が赤く腫れて熱感をともなう、口渇、舌紅、苔黄、脈数)には適していない。

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