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紫根(しこん)の詳しい生薬説明ページ

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別名:紫草(しそう)、紫草根(しそうこん)/むらさき(紫)

日本の各地や中国、朝鮮半島に分布しているムラサキ科の多年草、ムラサキ(㊥紫草Lithospermumerythrorhizon)の根を用いる。中国では紫根を硬紫根と軟紫根とに区別し、ムラサキの根を硬紫根(こうしこん)というのに対し、同じムラサキ科の新疆紫草Arnebaeuchromaの根を軟紫根(なんしこん)という。いずれの根も紫色で、ナフトキノン誘導体のシコニン、アセチルシコニンなどの紫色色素が含まれる。日本でもムラサキの根は天平の頃から紫色の染色に用いられ、江戸時代には江戸紫として有名であった。今日、軟紫根は日本薬局方の適用外であるが、かなりの量が流通している。

薬理的にはシコニン、アセチルシコニンには抗炎症、肉芽促進作用などの創傷治癒促進作用があり、紫根の抽出液には抗菌、抗浮腫作用などがある。また近年、抗腫瘍作用が注目され、絨毛上皮腫や白血病、乳癌などへの臨床応用が研究されている。漢方では清熱涼血・解毒・透疹の効能があり、水痘や麻疹の初期の発疹が出きらないとき、紫斑、黄疸、吐血、鼻血、血尿、腫れ物などに用いる。

近年では麻疹の予防や肝炎の治療に用いている。また湿疹や外陰部の炎症に外用する。紫根を主薬とした紫雲膏は火傷や凍瘡、痔などの外用薬として有名である。また乳腺炎や乳癌の治療には牡蠣・忍冬などと配合する(紫根牡蠣湯)。ちなみに北米インディアンはセイヨウムラサキL.officinaleの全草を避妊の目的で煎じて服用している。

処方用名

紫草・紫草根・紫根・老紫草・シコン

基原

ムラサキ科BoraginaceaeのムラサキLithospermumerythrorhizonSieb、etZucc.の根。これを硬紫根と称し、別に同科のMacrotomiaeuchromaPauls.の根を基原とする軟紫根があり同様に用いられるが、正品は硬紫根である。

性味

甘・鹹、寒

帰経

心・肝

効能と応用

方剤例

涼血活血・解毒透疹

①当帰紅花散・紫草快斑湯

血熱毒盛で斑疹が透出しないときや紫黒色を呈するときに、大青葉・牛蒡子・連翹・蟬退・葛根・赤芍・紅花などと用いる。

②紫草消毒飲

咽痛をともなうときには、牛蒡子・山豆根・甘草などと用いる。

③生肌玉紅膏・紫雲膏

麻疹の予防や症状の軽減に、単味を煎服する。

瘡癤(皮膚化膿症)・潰瘍・湿疹・皮膚炎・熱傷・凍傷・陰部瘙痒症などに、当帰・白芷・血竭・軽粉などと膏薬にし外用する。

利小便滑腸

血熱毒盛による排尿障害・排尿痛や便秘に、清熱解毒薬とともに用いるか単味の粉末を服用する。

臨床使用の要点

紫草は甘寒で清熱し鹹で血分に入り、涼血活血・解毒透疹に働き、兼ねて滑腸利小便する。血熱毒盛で鬱滞したための斑疹の透発不暢や斑疹紫黒で色不紅活、あるいは瘡癰腫毒に適し、二便秘渋を兼ねるときに最適である。また、熬膏を外敷すると湿瘡潰瘍に有効である。

用量

3~9g、煎服。外用には適量。

使用上の注意

①寒滑であり、脾胃虚寒の軟便には用いない。

②斑疹がすでに透発して鮮やかな紅色を呈するときには用いない。

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