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厚朴(こうぼく)の解説ページ

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別名:唐厚朴(からこうぼく)・川朴(せんぼく)・温朴(うんぼく)/ほおのき(朴木)

中国の南部を原産とし、中国の各地に分布しているモクレン科の落葉高木、カラホウ(㊥厚朴Magnoliaofficinalis)や凹葉厚朴M.officinalisvar.bilobaの幹や枝の樹皮を用いる。日本ではホウノキM.obovataが利用されている。中国産では根に近い部位が良品とされている。生薬では両者を区別して日本産を和厚朴(わこうぼく)、中国産を唐厚朴という。唐厚朴では四川省の川朴、浙江省の温州厚朴(温朴)などが有名である。これまで日本薬局方では日本産の厚朴(和厚朴)のみを規定していたが、1996年の改正により中国産の厚朴も認められるようになった。樹皮にはアルカロイドのマグノクラリン、マグノフロリン、リグナン類のマグノロール、ホオノキオール、精油成分のオイデスモールなどが含まれ、厚朴エキスには鎮痛、抗痙攣、筋弛緩、クラーレ様作用などが報告されている。漢方では燥湿・消痰・除満・下気の効能があり、腹部膨満感や消化不良、嘔吐、悪心、下痢、喘息、咳嗽など消化器疾患だけでなく呼吸器疾患にも応用する。

一般には消化不良には蒼朮と、腹痛には木香と、腹満感には枳実と、冷えには乾姜と、便秘には大黄と、痰には半夏と、咳嗽や喘息には麻黄・杏仁と配合する。最近、厚朴に含まれるマグノリグナンにメラニン生成に関与する酵素の成熟阻害作用が発見され、外用により美白効果が認められることが報告されている。→和厚朴

通便作用

便秘や腹部膨満に用いる。食べた物が滞り、便が硬く秘結するときには大黄・枳実と配合する(厚朴三物湯)。熱性疾患などに伴う便秘を速やかに通便させるときには大黄・芒硝などと配合する(大承気湯)。高齢者にみられる習慣性の便秘には麻子仁・杏仁などと配合する(麻子仁丸)。

 

整腸作用

下痢や消化不良に用いる。過食などにより不消化物が胃に滞って胸が痞え、臭い嗳気や嘔気のあるときには蒼朮・陳皮などと配合する(平胃散)。夏の感冒や急性胃腸炎で嘔吐や下痢の激しいときには藿香・茯苓などと配合する(藿香正気散)。なお厚朴単独でも止瀉作用がある。

理気作用

神経症や呼吸器症状に用いる。

咽に梅干しの種のようなものが詰まった感じのする「梅核気」には半夏・蘇葉などと配合する(半夏厚朴湯)。咳嗽や喘鳴を伴う感冒には桂枝湯に加味する(桂枝加厚朴杏仁湯)。

小児喘息などで呼吸困難と情緒に関連のみられるときには麻黄・柴胡などと配合する(神秘湯)。アメリカでは厚朴と黄柏を主成分とするストレス対策サプリメント(リローラ)が人気を得ている。

処方用名

厚朴・川朴・川厚朴・製川朴・姜厚朴・コウボク

基原

モクレン科MagnoliaceaeのカラホウMagnoliaofficinalisRehd.etWils.およびその変種var.bilobaRend.etWils.の樹皮。前者を川朴・湖北厚朴、後者を温州厚朴として区別することがある。

日本産(和厚朴)はホウノキM.obovataThunb.の樹皮で、日局品である。

性味

苦・辛・温

帰経

脾・胃・肺・大腸

効能と応用

 

方剤例

行気化湿

 

①平胃散

湿困脾胃・食積気滞の腹満・腹痛・下痢などに、蒼朮・陳皮などと用いる。

②厚朴温中湯・厚朴生姜甘草半夏人参湯

寒湿には、乾姜・草豆蔻・木香などと使用する。

下気除満

厚朴三物湯・大承気湯

熱結や裏実気滞の腹満・腹痛・便秘に、枳実・大黄などと用いる。

燥湿化痰・下気降逆

厚朴麻黄湯

痰湿壅肺の咳嗽・呼吸困難に、麻黄・杏仁・半夏などと用いる。

臨床使用の要点

厚朴は苦辛・温で、苦で下気し辛で散結し温で燥湿し、下気除満・燥湿化痰の効能をもち、有形の実満を下すとともに無形の湿満を散じる。それゆえ、食積停留・気滞不通の胸腹脹満・大便秘結、湿滞傷中の胸腹満悶・嘔吐瀉痢に適する。また、燥湿化痰・下気降逆にも働き、痰湿壅肺・肺気不降による喘咳にも有効である。

参考

①生姜と同煮した製川朴(姜厚朴)は、温中散寒の効能が強くなる。

②臨床的には、配合の違いによりさまざまな効能を発揮する。湿滞には蒼朮を助けて燥湿健脾に、気滞には木香を助けて行気止痛に、食滞には枳実を補佐して消痞除脹に、痰滞には半夏を補佐して燥湿化痰に、寒凝には乾姜を助けて温中散寒に、熱結には大黄を助けて瀉熱導滞に、肺気壅滞には麻黄・杏仁を補佐して下気平喘に、それぞれ働く。

③厚朴・枳実は有形の実満を除き無形の湿満を散じる。厚朴は苦温燥湿して除満の力が強く、燥湿化痰にすぐれ湿満により適している。枳実は苦降下行し気鋭力猛であり、宿食を逐い便閉を通じるので、実満により適している。

用量

3~9g、煎服。丸・散に入れてもよい。

使用上の注意

温燥に偏し行気の力が強いので、内熱津虚・脾胃気虛には用いない。妊婦にも使用しないほうがよい。

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