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激しいせきや、ぜんそくの急性期に麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

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「麻杏甘石湯は激しいせきや、ぜんそくの急性期によく使われます」

処方のポイント

寒気のある感冒に用いられる麻黄湯から桂皮を除き、新たに強力な解熱作用の石膏を加えたもの。激しいせきやぜんそくの急性期症状に適用。また、発熱しているかぜのせき等にも、発汗の有無にかかわらず用いられる。甘辛味で、温服が効果的。

麻杏甘石湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

〇効能または効果

小児ぜんそく、気管支ぜんそく。

〇より深い理解のために

気管支炎にも用いられるが、保険請求時の病名が適正か注意する。類似する五虎湯の適応症は、「せき」、「気管支喘息」。

漢方的適応病態

肺熱の喘咳。すなわち、咳嗽、呼吸困難、呼吸促迫、口渇、熱感、発熱、無感、あるいは有汗などの症候で、舌苔は黄、脈は滑。(『中医処方解説』)

麻杏甘石湯の組成や効能について

組成

麻黄6杏仁9炙甘草9石膏24

効能

辛凉宣泄・清肺平喘

主治

外感風邪・肺熱の咳喘

〇辛凉宣泄:辛と涼の薬性を組み合わせて、外邪を発散し、裏熱(肺熱)を清泄する治法である。

〇清肺平::肺熱を清し、喘息を止める治法である。

〇外感風邪:主として風邪を感受することによっておこる病をいう。本方は風熱の邪をうけた場合、あるいは感受した風寒の邪気が化熟(熱に変化)した場合にも適用できる。

解説

麻杏甘石湯は『傷寒論』太陽病篇に記載されている処方で、外邪の侵入による肺熱症状(発熱、悪風など)、および咳喘の治療に用いる。

適応症状

◇発熱・悪風・有汗あるいは無汗

外邪が体表に侵入したことによっておこるた状である。汗の出る場合は、熱が汗にともなって放散されるので発熱はやや軽いが熱が肺に閉じ込められてしまうと、発汗できずに高熱となる。

◇咳嗽・喘息

肺に熱邪が壅滞して、肺気の宣発・粛降機能が失調すると肺気が上逆するためにおこる症状である。

◇気急

呼吸があらく速いこと熱は急を主り、肺は呼吸を主るので、肺が熱邪の迫害を受けるとすぐ呼吸に変化がみられる。

◇痰黄

肺の宣発・粛降機能が失調して、津液が正常に分布されず停滞すると、痰が生じる。黄痰は肺熱を示している。発病初期には痰が出ないこともある。

◇口渇

肺熱によって津液が損傷された症状である。

◇舌苔薄白あるいは薄黄

外邪がまだ体表に存在している場合は薄白苔がみられる。外邪が熱に変わり肺にある場合は、黄苔となる。

◇脈浮滑数

浮脈は体表に邪があることを示し、滑脈は痰の停滞、数脈は肺熱を示す。

石膏は大寒の清熱薬で、肺と胃の熱を清泄し、熱邪による津液の消耗を防ぐ。甘寒の薬性は津液を生むことができ、麻杏甘石湯の主薬である。重性の石膏は、杏仁の肺気を降ろす作用を助けることもできる。麻黄は宣肺作用が強く、喘息に対する効能がある。麻黄の辛温性は、熱盛の症状には不適であるが、麻黄の4倍量にあたる石膏を使用してその温性を調整している。杏仁は苦味のある種子で、下降する特性によって肺気を粛降する。宣肺作用をもつ麻黄との配合によって肺気の宣粛機能を改善し、咳をとめ、おだやかにする寒性の強い石膏は胃を傷つける恐れがあるので、炙甘草によって胃気を保護する。甘味の甘草と、寒性の石膏の併用で津液を生むこともできる。

臨床応用

◇急性熱性喘息

薬味は少ないが優れた平喘止咳作用があり、喘息の治療に用いることが多い。清熱作用の強い石膏が主薬なので、身熱、痰が黄色で粘りがある、口渇などの熱性喘息急性気管支炎、肺炎などの疾患に適している。

麻黄の解表作用も喘息の初期に効果がある。症状が悪化したり、長期化した場合は、ほかの止咳平喘薬を配合しなければならない。

〇痰が多いとき:+「二陳湯」(燥湿化痰)

〇熱感のある黄色い痰が出るとき+「竹茹温胆湯」(清熱化痰)

〇喘息が重いとき+「五虎湯」(瀉肺平喘)

                または+桑白皮、紫蘇子、銀杏(止咳平喘)

〇咳嗽が重いとき+「清肺湯」(化痰止咳)

〇急性気管支炎、肺炎のとき+「白虎加人参湯」(清熱生津)

                                 または+板藍根・連翹・金銀花・黄芩・牛蒡子(清熱解毒)

◇鼻炎

濁った悪臭のある鼻水が出る副鼻腔炎に使用する。鼻は肺の竅であるため、鼻疾患は肺から治療することが多い。麻黄の宣肺作、目は鼻づまりを通じ、石膏の清肺熱作用は、黄色く粘った鼻水を取り除く。

〇鼻症状をさらに改善したいとき+「辛夷清肺湯」(清肺開竅)

注意事項

①麻杏甘石湯は辛凉重剤であるため、寒性および虚性の喘息に用いてはならない。

②麻黄は発汗作用が強いので、汗が多く出る場合は慎重に用いなければならない。

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