原因が考えられない場合が問題
気分が重くて暗いのが、憂鬱感である。そして、精神に安定を欠き、イライラして落ちつかないのが不安感である。これらはふつう、日常生活の中に原因があるはずで、それが取り除かれると、解消する。
考えられる病気
思いあたる原因がないのに、いつまでも身体症状としてあらわれていることがある。こういう場合は、注意が必要である。ノイローゼ・更年期障害・脳出血・脳動脈硬化症のさいにみられる症状だからである。
したがって、まず内科の医師の診察を受け、こころの病気の疑いがあると診断されたら、精神科か心療内科の門をくぐることである。
気のうっ滞に効く処方
漢方では、身体機能も精神機能も、つねに一体のものと考える。憂鬱や不安は、気(前述参照)のうっ滞による精神症状ととらえ、身体症状もすべて沈潜し、活動はものうく、脈は沈(ちん)・遅(ち)となり、消化機能も異常状態になると考えられる。
憂鬱・不安感に効果的な漢方薬
半夏厚朴湯
憂鬱で、いろいろとりこし苦労をし、胸やのどがふさがったように感じ、不安のため外出もできない人に。
黄連解毒湯
気分がイライラして落ちつかず、のぼせ・めまいなどがある更年期障害に用いる。
三黄瀉心湯
上の症状で、便秘ぎみのものに。
柴胡加竜骨牡蛎湯
肥満体質で、胸脇苦満(前述参照)があり、不眠・肩こりがある人に。