あめ耳は耳だれではない
まず最初におさえておいてほしいのは、いわゆる耳あかのやわらかいものと、耳垂れとは別ものだということである。耳あかのやわらかいものをあめ耳といって、病気ではないのだが、耳垂れだと思って、悩んでいる人も多いようだ。
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考えられる病気
耳垂れを起こすのは、外耳道(がいじどう)や中耳(ちゅうじ)の炎症性の病気のためで、急性のものでは耳の痛みをともなう。耳癤(じせつ)では、さらさらした水のような耳だれ、急性中耳炎では、水のようなのがだんだんねばってきて、黄から白に変色する。慢性中耳炎では、くさい耳だれがつづく。
病気として多いのは外耳湿疹(がいじしっしん)で、この場合は耳だれはさらさらしているが、耳がかゆくなる。
漢方には外用薬もある
急性中耳炎によるものも漢方が有効だが、乳幼児に多く、症状も重くなるので、 ここでは述べない。湿疹や慢性のものの処方をあげよう。
耳垂れにおすすめの漢方薬
小青竜湯
体力が中程度以上で、小便の出がわるく、発刊しないで、かゆみが強いものに用いる。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
体力中程度で、食物がみぞおちにつかえたり、吐きけや軽い痛みのある人によい。
五苓散
のどが渇き、小便の出がわるく、下痢しやすく、冷え症で、顔や手のはれぼったい人に。
真武湯
下痢しやすく、疲れやすい虛証の人に。
小柴胡湯
体力が中程度の女性の湿疹で、かけば耳だれが出るようなものによい。
紫雲膏(しうんこう)
外用薬として一般的に用いる。