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蓮肉(れんにく)の詳しい生薬説明

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別名:蓮実(れんじつ)、石蓮子(せきれんし)、蓮子(れんし)、蓮の実(はすのみ)

ヨーロッパ東南部からインド、中国、オーストラリアに分布するスイレン科の水生多年草、ハス(㊥蓮Nelumbonucifera)の成熟した果実を蓮実(れんじつ)あるいは蓮子(れんし)といい、果殻をつけたものをとくに石蓮子(せきれんし)、果殻をとった種子を蓮肉(れんにく)という。完熟した果実は重くて水に沈むので石蓮子の名がある。ハスの果実は長さ1.5~2cmくらいの楕円形で、灰黒色の堅い殻に覆われ、その中には表面が赤褐色の種子が入っている。またこの種子の緑色の胚芽だけを蓮子心(れんししん)という。またハスの葉は荷葉(かよう)、根の節は藕節(ぐうせつ)、花托は蓮房(れんぼう)、雄しべは蓮鬚(れんしゅ)という。日本ではハスの実を食べる習慣はあまりないが、中国では菓子や中華料理の材料として、デンプンは乳幼児の栄養補給食品としてよく用いられている。日本では観賞用の花パスや、地下茎のレンコンをとる食用バスが栽培されている。果実にはデンプン、タンパク質、ビタミンB1、ラフィノース、脂肪などのほか、胚芽部にはアルカロイドのロツシン、デメチルコクラウリン、メチルコリパリンなどが含まれ、平滑筋弛緩、鎮静、滋養強壮作用などがある。漢方では安神・補腎・健脾・止瀉の効能があり、精神不安、排尿障害、下痢、遺精、帯下、食欲不振などに用いる。一般には滋養強壮薬として、またのぼせや口渇を除く薬膳料理として用いられる。→荷葉・蓮鬚・蓮房・蓮子心・藕節(ハス胚芽)

①健脾作用

胃腸虚弱による下痢、食欲不振などに用いる。慢性的に胃腸が弱く、食欲不振や下痢の続くときに人参・茯苓・山薬などと配合する(参苓白朮散)。とくに小児の胃腸虚弱には山查子・陳皮なども配合する(啓脾湯)。また乳児の吐乳には丁香・人参と配合する(治吐乳一方)。

②安神作用

煩躁、不安、動悸などの症状に用いる。排尿異常などの泌尿・生殖器症状を伴う神経衰弱症状や倦怠感には、黄芩・黄連・人参などと配合する(清心蓮子飲)。

処方用名

蓮子・蓮子肉・建蓮肉・湘蓮肉・レンニク

基原

スイレン科NymphaeaceaeのハスNelumhonuciferaGaertn.の種子。蓮肉とも称する。また堅い果皮をつけたものを石蓮子と称する。本種に由来する蓮子を甜石蓮とも称する。別に苦石蓮があり、マメ科のジャケツイバラの仲間CaesalpiniaminaxHce.に由来し、代用しえない。

性味

甘・渋、平

帰経

脾・腎・心

効能と応用

方剤例

健脾止瀉

参苓白朮散・啓脾湯

脾虚による慢性の泥状~水様便に、茯苓・白朮・山薬などと用いる。

養心安神

清心蓮子飲

心神不寧の不眠・動悸などに、酸棗仁・遠志・茯苓などと使用する。

益腎固精

蓮肉散

腎虚の遣精・不正性器出血・帯下などに、菟絲子・芡実・沙苑子などと用いる。

臨床使用の要点

蓮子は甘渋・平で、甘で補脾し「脾果」とも称され、兼ねて養心益腎し、渋で収斂し、固精・止帯に働く。脾虚泄瀉・心悸失眠・腎虚遺精・崩漏带下などに適する。

用量

6~15g、煎服。

使用上の注意

砕いて使用する。

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