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遠志(おんじ)の詳しい説明はこちら

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朝鮮半島、中国北部、シベリアに分布するヒメハギ科の多年草、イトヒメハギ(㊥細葉遠志Polygalatenuifolia)の根を用いる。李時珍は「志を強くする」作用があることが遠志という名の由来であると記している和名は{糸姫萩」と書き、日本に自生するヒメハギに似て葉が細いことによるちなみに北アメリカには同属植物の薬草、セネガP.senegaがあり、セネガを中国では美遠志というイトヒメハギの根にはトリテルペンサポニンのオンジサボニンA~G、キサントン誘導体、トリメトキシケイヒ酸などが含まれ、去痰作用や抗浮腫作用、利尿作用などが知られているセネガと類似成分が含まれるがセネガは鎮咳去痰薬として利用されている漢方では安神・祛痰・消腫の効能があり、動悸、健忘、不眠、咳嗽、多痰、乳腺炎腫れ物などに用いる、とくに精神を安定(安神)させたり、健忘症を改善(益智)する効能で知られている。この他遠志は外用薬として皮膚化膿症の初期にも用いる。ちなみに遠志の成分には1.5-アンヒドログルシトール(1.5-AG)が含まれているため、糖尿病検査において血中1.5-AG値が見かけ上、上昇することが指摘されている。

安神作用

神経症やうつ状態による不眠、動悸、健忘などに用いる、神経質で胃腸が弱く、心配事のために不眠や動悸を訴える場合には茯苓、酸棗仁などと配合する(帰脾湯)。

うつ病、神経衰弱の治療に竜骨・牡蠣と配合する(竜骨湯)。精神に変調をきたし、異常な言動のみられるときに羚羊角・酸棗仁などと配合する(正心湯)。

去痰作用

鎮咳去痰薬として用いる。効力は弱いため貝母・半夏などと配合する。肺結核などの慢性の呼吸器疾患で倦怠感とともに咳嗽、喀痰がみられるときに人参、五味子などと配合する(人参養栄湯)

処方用名

遠志・遠志肉・遠志筒・炙遠志・炒遠志・オンジ

基原

ヒメハギ科PolygalaceaeのイトヒメハギPolygalatenuifoliaWilld.の根または根皮(芯抜き遠志)。

性味

苦・辛・温

帰経

心・腎・肺

効能と応用

安神益智・豁痰開竅

方剤例

①朱砂安神丸・遠志丸・遠志飲・帰脾湯・人参養栄湯

心神不寧の動悸・不眠に、茯苓・酸棗仁・人参・竜骨・朱砂などと用いる。

②不忘散・安神定志丸・定志丸

痰阻心迷による健忘・失見当識・痴呆などには、菖蒲・鬱金・茯苓などと用いる。

散鬱化痰

寒痰の咳嗽、多痰で痰の喀出がすっきりしないときに、半夏・陳皮・杏仁・紫菀などと使用する。

湿痰壅滞による癰疽瘡腫(皮膚化膿症)に、単味の粉末を酒に浸けて内服・外用する。

臨床使用の要点

遠志は辛散・苦泄・温通し、助心陽・益心気さらに腎気を上交させて交通心腎に働き、安神益智の効能をもつと同時に痰濁を除き開竅するので、心神不寧の驚悸失眠や痰阻心迷の迷惑健忘に有効である。また、散鬱化痰にも働き、肺の寒邪痰飲による咳嗽に効果があり、寒凝気滞、痰湿入絡による癰疽腫毒にも内服・外用すると消腫止痛の効果が得られる。

参考

一般に炒して使用する。全草を用いることもあり、「小草」と称する。

用量

3~9g、煎服。

使用上の注意

温燥であるから陰虚火旺・心経実熱・痰熱などには禁忌。

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