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何首烏(かしゅう)の説明ページ

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別名:首烏、フォーチ・ヘショウウ

中国が原産であるが、江戸時代に日本に帰化して、日本各地に野生化しているタデ科の多年草、ツルドクダミ(㊥何首烏Polygonummultiflorum)の塊根を用いる。ツルドクダミの蔓茎は夜交藤あるいは首烏藤という。何首烏は唐時代の中国では不老長寿の薬として有名であった日本では八代将軍・徳川吉宗が中国から苗を取り寄せて全国に栽培させたのが伝来の経緯といわれるが、いつしか忘れられて雑草と化した。名前の由来は何首烏という者の祖父が見つけた根を粉にして飲んで親子三代が長生きしたという伝説や何公という王が服用したところ頭(首)の白髪が鳥の羽のように黒くなったという説がある。日本では葉がドクダミに似ているためツルドクダミと呼ばれている根にはアントラキノン類のクリソフアノール、エモジン、レシチンなどが含まれ、コレステロール降下作用や降圧作用、抗菌作用、腸蠕動促進作用がある漢方では補陰・補血・強壮の効能があり、眩暈・足腰の虚弱・筋骨のだるさ・子宮出血・遺精・下痢・痔などに用いる一般に肝腎の精血を補う抗老薬であり、陰虛による皮膚瘙痒感や便秘に用いられるほか、黒髪を生じる代表的な生薬として有名である。製剤では何首烏単独の首烏片(首烏延寿片)、薬酒の何首烏酒、養毛剤(アポジが)に配合されている近年、海外において何首烏の製剤を服用して急性肝炎を発症した事例が報告されている。ちなみに白首烏とは、ガガイモ科の植物、大根牛皮消Cynanchurnbungeiの塊根のことで、何首烏と同様に滋養・強壮作用があり、泰山何首烏とも呼ばれている。

滋養強壮作用

虚弱体質や老化現象に用いる元気が衰えて、白髪や脱毛がみられ、足腰が弱っているものには当帰、枸杞子、菟絲子などと配合する(七宝美髯丹)、動脈硬化や高血圧にも使用され、単独で降圧作用や降コレステロール作用なども報告されている(首烏片)、慢性化したマラリアで少し労働しただけで発熱する者に当帰、人参などと配合する(何人飲)。

止痒作用

老人性皮膚瘙痒症など乾燥性(血燥)の皮膚疾患に用いる皮膚瘙痒症には止痒作用のある荊芥、防風、蒺梨子などと配合する(当帰飲子)。

処方用名

何首烏・首烏・鮮首烏・生首烏・製首烏・カシュウ

基原

タデ科Polygonaceaeのツルドクダミ

PolygonummultiflorumThunb.の塊根。

性味

苦・甘・渋・微温

帰経

肝・腎

効能と応用

補肝腎・益精血・生発烏髮

方剤例

七宝美髯丹・烏髮丸・補血生髮湯

肝腎精血不足による頭のふらつき・目がかすむ・めまい・耳鳴・腰や膝がだるく無力・肢体のしびれ・脱毛・早期白髪・遺精などの症候に、熟地黄・白芍・当帰・菟絲子・女貞子などと用いる。

截瘧

方剤例

何人飲

久瘧(慢性に反復する悪寒・発熱の発作)に、人参、当帰などと使用する。

解毒

方剤例

①何首烏散

癰腫瘡毒(皮膚化膿症)に、苦参、連翹、玄参などと用いる。

②当帰飲子

瘰癧(頸部リンパ節腫)に、夏枯草、貝母などと使用する。

血虛挟風の皮膚瘙痒に、生地黄・当帰・蟬退・白蒺藜などと用いる。

 

潤腸通便

腸燥便秘に、鼡味であるいは麻子仁・胡麻仁・当帰などと使用する

臨床使用の要点

何首烏は苦渋・微温で、製熟すると甘味で補に働き、補肝腎・益精血・烏鬚髪・強筋骨に収斂精気の効能を兼ね、性質が温和で不寒・不燥・不膩であり、滋補の良薬である。肝腎精血不足の頭眩眼花・鬚髪早白・腰膝酸痛・遣精崩帯などに適する。生用すると補益力が弱く収斂せず、截瘧・解毒・濶腸通便に働き、体虚久瘧に必需のほか、癰疽瘰癧・腸燥便秘にも有効である。

参考

①鮮首烏は新鮮品で潤腸・解毒の力が強く、生首烏は乾燥品で効力がやや弱い。

製首烏は熟製品で補肝腎・益精血に働く。

②熟地黄は何首烏より補肝腎・益精血の効能がすぐれているが、非常に滋膩であるために脾胃を膩滞させやすい。製首烏は補して滋でなく、滋補の良薬である。

用量

9~15g。煎服。

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