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花粉症に苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)

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「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)は花粉症によく使われます」

処方のポイント

からだを温め水様の鼻水やくしゃみに対応する乾姜・細辛・呼吸器周辺の水分流通を改善しせき等の呼吸墨症状に対応する半夏、茯苓鎮咳作用の杏仁・五味子、消化器を保護する甘草で構成。花粉症、止まらない透明な鼻水等に適応する。酸味のある甘辛味で、温服が効果的。

苓甘姜味辛夏仁湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

貧血、冷え症で喘鳴を伴う喀痰の多い咳嗽があるもの。気管支炎、気管支喘息、心臓衰弱、腎臓病。

漢方的適応病態

寒痰の喘咳。すなわち、咳嗽、呼吸困難、白色で薄い多量の痰、喘鳴、くしゃみ、鼻水、冷えなどの症候、胃内に溜飲のみられることも多い。

苓甘姜味辛夏仁湯の組成や効能について

組成

乾姜9細辛3茯苓12半夏9杏仁9五味子6甘草6

効能

温肺化飲・降逆止嘔

主治

寒飲咳喘・水逆嘔吐

◎温肺化飲:肺を温めて痰飲(飲邪)を除去する治法である。

◎降逆止嘔:胃中の上逆した水飲を下降させ、嘔吐を止める治法である。

◎水逆嘔吐:胃中にある水飲が上逆する嘔吐症状である。

解説

苓甘姜味辛夏仁湯は痰飲、咳嗽を治療する「苓甘五味姜辛湯」に半夏、杏仁を加えた処方である。苓甘姜味辛夏仁湯は温性をもち、寒飲が肺と胃に停滞した症状(主として咳と嘔吐)を治療する。

適応症状

◇咳嗽・喘息

痰飲が肺に滞って、肺の宣発、粛降機能を乱すと肺気カ仩逆して咳と喘息の症状が現れる。

◇白い痰が多い

肺に寒性の痰飲があるので、痰は薄く、白く、量が多くなる。

◇嘔吐

胃中にある水邪が胃気とともに上逆する症状である。

◇浮腫

肺気の宣発・粛降機能および通調水道の機能が失調すると、津液を全身に行きわたらせることができなくなるため、軽い浮担重(特に顔面部)が現れる。

◇舌苔白滑

案性の痰飲が停滞していることを示す。

◇脈沈遅

脾胃の陽気が虚して津液を運化することができなくなると、体内に痰飲が発生し沈脈がみられる。病邪の性質が寒飲(陰)なので、遅脈をともなう。

苓甘姜味辛夏仁湯は、各側面から痰飲を除去する薬を組み合わせてある。痰飲は陰邪なので、温性の薬が必要である。乾姜と細辛は辛熱の性味をもち、肺を温めて寒飲を除去する。さらに乾姜は、痰を生む源である中焦の脾陽を温めて胃気を下降させ、半夏の止嘔作用を増強する。茯苓は利水作用によって体内の痰飲をおだやかに除去しながら、乾姜と一緒に脾の運化能を調節して痰の生成を防止する。半夏は化痰作用に優れ痰飲による肺の咳眦喘息を治療する。さらに、胃気を下降し、嘔吐症状を緩和させる。杏仁は肺気を粛降させ、細辛は肺気を宣発させる。この2薬によって肺の機能を調節して、咳嗽と喘息を治療する。五味子は肺気を収斂し、細辛、乾姜など辛散薬による肺気の発散過多をおさえる。このような配合の仕方を一散一収(発散と収斂)といい、肺気の通利を調整できる。甘草は甘味で、胃を調和すると同時に、茯苓の健脾作用を補佐し、乾姜などの強い辛味を緩和することができる。

臨床応用

◇咳・喘・痰

肺を代表する3大症状である咳、喘、痰を治療することができる。温性の方剤なので主に寒飲の停滞による諸症状に用いる。臨床では気管支炎、気管支喘息肺気腫など肺の疾患に使用することが多い。喘息よりも咳に使用しやすい。

◎咳がひどいとき+「清肺湯」(清肺、止咳化痰)

  または+紫菀、款冬花、貝母(止咳化痰)

◎喘息がひどいとき+「小青竜湯」(温肺化飲)

  または+紫蘇子、前胡、麻黄(宣利肺気・平喘)

◎痰が多いとき+「二陳湯」(燥湿化痰)

  または+栝蔞仁、竹茹

◎胸悶などの気滞症状をともなうとき+「半夏厚朴湯」(理気化痰)

◇動悸(心疾患)

痰飲が上昇して、心の血脈を主る機能を乱すと、動悸、息ぎれ、軽度の浮腫などの症状がみられる。舌苔白滑、薄い白痰をともなう心疾患に苓甘姜味辛夏仁湯を併用すると、寒性の痰飲が除去され、心臓の負担は軽くなり症状が軽減される。

根本を治療するには血分薬が少ないので+「炙甘草湯」(益気養心)

  または+「当帰芍薬散」(養血活血・利水)

◇悪心・嘔吐

苓甘姜味辛夏仁湯は痰飲を除去し、中焦脾胃の運化機能を整えられるので、急・慢性胃炎で物こ痰飲が胃に停滞して生じる悪心嘔吐の症状に用いる。

疲労、食欲不振など脾胃虚弱症状がみられるとき+「六君子湯」(健脾化痰)

◇浮腫

苓甘姜味辛夏仁湯は肺の痰飲を取り除き、体内の津液代謝を調整することができるので、浮腫の初期で特に咳など肺の症状をともなうときに用いられている。臨床では、急・慢性の腎炎ネフローゼに使用される。

◎浮腫がひどいとき+「五苓散」(通陽利水)

注意事項

苓甘姜味辛夏仁湯は温性に偏るので、痰が黄色くて濃い、苔黄など熱痰証には不適当である。

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