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酸棗仁湯(さんそうにんとう)は疲れ果てて眠れないときによく使われます

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「酸棗仁湯は疲れ果てて眠れないときによく使われます」

処方のポイント

血液を補い精神を安定させる酸棗仁を中心に、血行促進の川芎、精神安定化の茯苓、からだの芯にこもった熱を下げる知母、消化器を保護する甘草で構成。身もこころも疲れ果てて眠れない等の症状に適応。動悸、ねあせ、めまい、のどの渇き等にも応用。甘辛味で、温服が効果的。

酸棗仁湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

心身がつかれ弱って眠れないもの。

漢方的適応病態

心血虚・心肝火旺。すなわち、寝つきが悪い、眠りが浅い、多夢、動悸、健忘、頭のふらつきなどの心血虚の症候に、いらいら、焦燥感、のどや囗の渇き、のぼせ、ほてり、などの心肝火旺の熱証を伴うもの。

酸棗仁湯の組成や効能について

組成

酸棗仁18茯苓6知母6川芎3甘草3

効能

養血安神・清熱除煩

主治

血虚不眠・陰虚内熱

◎養血安神:陰血を養って心神を安定させる治法である。

◎清熱除煩:体内の虚熱を清し、イライラなどの心煩症状を改善する治法である。

◎陰虚内熱:陰血が不足して陽気を抑制できず、体内に熱性の病証が生じる。

解説

酸棗仁湯は陰血の不足に起因する心煩、不眠の症状を治療する処方である。

適応症状

◇不眠

五行学説における肝と心の関係は、肝は母、心はその子である。母臓にあたる肝血が虚すと、子臓である心血も不足してくる。このため心は蔵神機能を維持できなくなり不眠が現れる。

◇煩躁

陰血の不足により虚熱が生じて上昇し、心の蔵神機能を攪乱しておこる症状である。煩躁は不眠を悪化させる。

◇動悸

肝血が不足して心を養うことができなくなると、心の「血脈を主る」機能と「神を蔵する」機能が失調して、不安感をともなう動悸が見れる。

◇盗汗

寝汗のことを指す。陰虛によって生じた虚火が津液を外へ追い出すことによっておこる症状である。

◇咽乾

虚火が上昇して、咽喉部の津液を消耗するために現れる症状である。

◇舌紅

陰虛火旺を示す舌象である。虚火のためやや暗っぽい紅舌のことが多い。

◇脈弦あるいは細数

弦脈は病位が肝にあることを示す。ときには陰血の不足を示す細脈と、虚火を示す数恥が現れる。

酸棗仁は酸棗仁湯の主薬である、酸味のある酸棗仁は、酸味を好む肝と心の陰血を養い、精神不安を治療する。また、酸味は収斂作用があり、汗を収斂して盗汗を治療する川芎ほ走行性が強く、理気活血作用がある。気血のめぐりを改善し、肝の疏泄機能を調節する。また、辛散(辛味で発散する)の川芎と酸収(酸味で収斂する)の酸棗仁の配合によって、肝の機能を整えて安神する。茯苓は健脾益気の作用によって、血の源を調節する。また、安神作用もあるので、酸棗仁とともに不眠動悸などの症状を改善できる。知母は潤いのある薬で、体内の陰津を潤し、口渇などの症状を治療する。また、清熱除煩の作用によって虚火に起因する煩躁症状にも対処できる。

臨床応用

◇不眠症

酸棗仁湯は肝の疏泄・蔵血機能を調節して、肝鬱と肝熱の病態を改善し、不眠症状を治療する。肝の病(自律神経失調症、鬱症など)にともなう不眠症に適している。

◎疏肝作用を増強させたいとき+「加味逍遥散](疏肝健脾・養血清熱)

◇動悸

動悸は心の代表症状である。肝血虚によって生じた心血不足の動悸と、虚熱の上昇によって生じた心神不安の動悸に用いられる。

◎補益作用を増強したいとき+「帰脾湯」(健脾養血)

◇鬱症

酸棗仁湯の疏肝驚作用はあまり強くないが、肝鬱から生じる心煩、不安不眠などの肝熱症状を治療できる。疏肝の方剤と併用することが多い。
◎鬱症状が強いとき+「加味逍遥散」(疏肝健脾・養血清熱)

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