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暑気あたりに清暑益気湯(せいしょえっきとう)

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「清暑益気湯(せいしょえっきとう)は暑気あたりによく使われます」

処方のポイント

消化器を補強する人参・蒼朮・黄耆を中心に、解熱作用の黄柏、過度の発汗を防ぐ五味子、黄耆、体液を補充する麦門冬・当帰・人参消化器を保護し活性化する陳皮、甘草で構成。暑気あたり、暑さによる食欲不振等に適応する。酸味のある甘味。

清暑益気湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

暑気あたり、暑さによる食欲不振、下痢、全身倦怠、夏やせ。

漢方的適応病態

気津両傷。すなわち、疲労感、無力感、息切れ、食欲減退などの気虚の症候と、口渇、咽の渇き、尿量減少などの津虚の症候があるもの。発熱、腹痛、下痢などの湿熱の症候を伴うこともある。

清暑益気湯の組成や効能について

組成

黄耆3人参3.5蒼朮3甘草1陳皮3当帰3麦門冬3.5五味子1黄柏1

効能

益気健脾・清暑燥湿

主治

脾氣不足・暑湿侵入

◎益気健脾:平素の脾気不足に対して、脾気を補益する治法である。

◎清暑燥湿:暑邪と湿邪を同時に除去する治法である。暑は夏の主気で、陽邪に属し季節性をもつ。夏は湿気も多いので、暑邪は常に湿邪とむすびついて人体に侵入し、暑湿病をひきおこす。

解説

清暑益気湯は平素の脾虚体質者が、暑湿の侵入を受けた病態に用いる処方である。暑邪を除去し、気を補う効能があるので「清暑益気湯」と名付けられている。『脾胃論』中の「清暑益気湯」は本方剤に沢瀉、葛根、神曲、青皮、白北升麻を加味したものである。

適応症状

◇発熱・頭痛

暑邪が侵入して正気と邪気が抗争するため発熱する。湿邪をともなうため、頭痛、頭重(頭が重い)などの表証がみられる。

◇自汗

気虚では汗を固摂する機能が低下する。また暑邪の侵入によっても腠理(皮膚筋肉の細かいあやで汗を管理する組織が開き、汗が出やすくなる。

◇口渇

暑邪は陽邪に属し、人体にとって有益な水分である津液を消耗する。汗が過度に流出すると津液は不足し咽喉部に渇きが生じる。

◇疲労倦怠感

活力の基である陽気が全身に分布されにくくなった症状である。「重」を主る湿邪の侵入で、身体が重く感じられる。

◇食欲不振

脾気不足によって運化機能が低下する症状である。消化機能全般が低下し、湿邪の停滞によって便も軟らかくなる。

◇尿色黄・尿量少

暑邪の侵入と、津液の不足により尿の色は濃くなり、量も少なくなる。

◇舌胖大・苔膩

舌胖大は脾気虚を示し、膩苔は湿邪の存在を示す。暑邪の勢力が強い場合は苔が膩でやや黄色くなることもある。

◇脈虚

脾気不足のため無力の虚脈が現れる。

黄耆、人参、蒼尤、甘草の4味は補気薬に属し、脾気不足に対して用いられる。主薬である黄耆は体表の衛気を補い、固摂機能を強化し、汗を止める効能をもっている人参は後天の本である脾胃を補う代表的な生薬で、脾虚には必要不可欠な成分である。蒼朮は人参、黄耆の健脾作用を補佐するほか、燥湿作用によって湿邪を除去する。陳皮は理気作用によって、湿邪の停滞によって生じた胸悶、胃脹などの気滞症状を改善し、食欲を増進する。燥湿化痰の効能もあり、蒼朮の燥湿作用を増強する。当帰は補血薬で脾気虚による血虚を防止し、麦門冬、五味子とともに体内の陰津不足の状態を矯正する。麦門冬と五味子は生津作用があり、暑邪の侵入および自汗によっておこる口渇など津液不足を治療する。麦門冬は生津作用が強く、除煩作用もあるので、暑邪の影響による心煩症状を治療する。五味子には収斂作用もあるので自汗の治療にも効果がある。黄柏は方剤中、唯一の清熱薬で、燥湿作用もあるので、暑邪と湿邪が同時に存在する症状に優先的に使用される。

臨床応用

◇暑湿病

暑邪と湿邪が同時に人体に侵入した諸症状(発熱頭痛、頭重、四肢の倦怠感食欲不振、悪心、下痢など)に用いる。清熱作用はやや弱いので、熱邪より湿邪が多く、そして気虚症状をともなうときに用いやすい。暑気あたり、夏まけ、夏瘦せ、夏カゼに適している。

◇下痢

夏とは限らず、慢性の下痢、脾胃の虚弱(湿症状)、および津液不足による口渇症状、微熱苔がやや黄膩(熱症状)が同時にみられる場合に用いることができる。

長期にわたる下痢は脾を損傷して脾虚を招き、また津液も消耗される。停滞した水湿は熱化することも多いので、脾虚津少。湿熱內蘊のときに清暑益気湯を考えるとよい。

◇疲労

疲労症状は脾胃気虚によっても、暑邪によっても、湿邪によっても生じるので、健脾、清暑、去湿作用のある本方剤を使用できる。特に、夏から秋にかけての倦怠感に効果がある。

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