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胡麻(ゴマ)を食べて得られる効果、効能とは

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▼滋養、強壮、美肌

白髪まじりの短く刈り込んだ頭を胡麻塩頭という。見るからに頑固そうで近寄りがたいが、義侠心が強くて情に脆い一面もある。以前はどこの町にも、そんな男が住んでいた。そして当時の家庭料理には、頻繁にゴマが使われていたように思う。「ごま和えに摺鉢の音も母ゆずり」――あの香ばしい味には家庭の温もりがあった。

胡麻(ゴマ)とは

ゴマは春に種子をまいて秋に収穫するゴマ科の一年草。エジプトが原産といわれ、仏教と同じように六世紀ごろ中国を経て日本に渡来したらしい。茎丈は一メートルほどで軟毛を密生し、夏に茎の葉腋から白い筒状の花を開く。果実は二・五センチほどの円柱形。扁平で小さな無数の種子がある。

普通は黒色(クロゴマ)だが、白色(シロゴマ)や淡黄色(キンゴマ)のものなど、品種によってさまざまだ。秋になって果実が割れる前に根ごと抜き取り、並べて天日に干す。すると種子が出てくるから、これを集めて日干しにしたものが生薬でもある食用の「胡麻」というわけ。

胡麻(ゴマ)の効果、効能について

胡麻はリノール酸やオレイン酸など動脈硬化を防ぐ脂質を約五〇%、それに良質の蛋白質も約二二%含んでいる。ほかにも疲労回復のビタミンB群、若返りのビタミンE、貧血に効く鉄や銅、強壮作用の亜鉛、骨や歯を強くするカルシウムの含量も豊かだ。

江戸時代に『本草綱目』を参考にして医師の人見必大が編纂した日本の食品解説書『本朝食鑑』には、「黒胡麻は腎に作用し、白胡麻は肺に作用する。ともに五臓を潤し、血脈をよくし、腸の調子を整える」という意味の記述がある。ここにいう腎とは、腎臓ではなくて性欲をつかさどる臟器のこと。つまり黒胡麻の強精効果をさしているのだろう。

ゴマは健脳食でもあった。ゴマの成分のγオリザノールがカルシウムやビタミンEと相乗して頭脳の働きを活性化するという。また胡麻油で緑黄色野菜を炒めると、カロテンの吸収率は八倍になるというデータも報告された。ゴマリグナンという成分の強力な抗酸化作用も確認されている。

このようにゴマは、栄養豊かな食物であると同時に、昔から民間薬としての重要な薬材でもあった。ゴマ塩が胃酸過多に効くとか、炒りゴマにおろしショウガをまぜて温湯で飲むと足腰の痛みが緩和されるなどは、広く伝えられてきたこと。番茶にゴマ塩を入れて飲むと動悸が鎮まるともいう。

応用

ゴマの養毛ドリンクもあった。黒ゴマ一合と黑ダイズ一合を三日分として別々に炒り、一緒にミキサーで粉末にしたものをコンブのだし汁で溶いて一日三回飲み続けると、艶のある黒髪になるとか。また皮膚炎や切れ痔には胡麻油が効くという言い伝えもある。いずれも経験から伝承された効果であろう。

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