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小建中湯(しょうけんちゅうとう)は小児の胃腸虚弱に

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「小建中湯は小児の胃腸虚弱によく使われます」

処方のポイント

腹部を温める桂皮、止痛効果の芍薬、消化器を保護し機能を高める甘草・大棗・膠飴で構成。温めると楽になる腹痛に適応。小児の夜尿、寝つきが悪い、頻繁な感冒羅患や腹痛等、広範囲の症状に応用。穏やかな甘味なので、体質虚弱の人や小児にも使いやすい。温服が効果的。

小建中湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症:小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜なき。

漢方的適応病態

1)脾虚あるいは気血不足のものの腹痛。すなわち、顔色がさえない、不活発、やや疲れやすい、食が細いなどの体質で、ときに腹痛(臍周囲の痙攣性疼痛が多い)があり温めたり押さえたりすると軽減するもの。なお、頻尿で量が少ない、汗をかきやすい、動悸などを伴うことが多い。舌質は正常か淡紅、舌苔は白薄。

2)虚弱者や小児の感冒。すなわち、平素虚弱状態のものがカゼを引いた場合などに適用する。

小建中湯の組成や効能について

組成

飴糖18白芍薬12桂枝6炙甘草3生姜9大棗6

効能

補虚温中・和裏緩急

主治

脾胃虛寒による疼痛

◎補虚温中:中焦脾胃の虚寒を温め補う治法である。

◎和裏緩急:腹痛を緩和させる治法である。

解説

小建中湯は虚・寒・痛の病証を治療する処方である。陰陽を調和し、中焦脾の気を建て直すことができ、作用が「大建中湯」と比較して穏やかなことから、「小建中湯」と名付けられた。

適応症状

◇胃腹部の疼痛

中焦の脾陽が不足すると、内に寒が生じやすくなり、外の寒邪も侵入しやすくなる。「寒は痛みを主る」ので胃や腹部の疼痛が現れる。

◇喜温

温かいものを食べると、中焦の陽気が動き、寒を発散させるので、疼痛が軽減する病邪の性質が寒であることを示す症状である。

◇喜按

疼痛部位を按ずると痛みが緩和するのは、中焦が虚していることを示す。

◇疲労倦怠感

中気の不足によって現れる症状である。

◇活淡

虚証を示す舌象である。

◇脈細弱

中気が不足し、陰血の生成も不充分なため、陰陽がともに不足していることを示す脈象が現れる。

小建中湯は甘・辛・酸の3味が配合され、平補、調和陰陽の処方である。組成は「桂枝湯」と類似しているが、主薬に温中補虚作用のある飴糖と倍最の白芍薬を使用し、解表作用はなくなり、胃腹部の虚寒を治療する効能がある。飴糖は本方の主薬で「健脾には必ず甘味を用いる」という治則にもとづいて用薬されている。桂枝は温性の陽薬で、その辛味と炙甘草の甘味の配合によって辛甘化陽し、中焦の陽気を助け寒を除く。白芍薬は寒性の陰薬でその酸味と炙甘草の甘味の配合によって酸甘化陰し、中焦の陰を養う。この2薬は「芍薬甘草湯」の組成でもあり、胃腹部の疼痛を緩和する。穏やかな陽薬と陰薬の組み合わせによって、中焦の陰陽を調和し、その機能回復をはかる生姜と大棗の組み合わせは、表の営衛の調和、および中焦の陰陽を調和し、これに炙甘草を加えると、中気を温めて、養う作用が生じる。

臨床応用

◇胃痛・腹痛

虚寒性の疼痛に適した処方である。穏やかな補益作用があるので、長期にわたって服用できる。胃・十二指腸潰瘍に用いることが多い。

平補陰陽の方剤なので、疲労、息ぎれなどの気虚症状が重いときは補中益気の方剤を併用すべきである。

◇微熱

陽薬の桂枝と陰薬の芍薬が配合されているので、陰陽失調による微熱に用いることができる。「甘温除熱」の作用によるもので、疲労倦怠感などの虚労症状をともなう場合に使用する。

◇眩暈

脾胃の虚寒によって、陽気が頭部まで上昇できないため、眩暈が現れることがある。本方は虚による眩暈の治療に長期使用できる。

◎貧血などをともなう気血両虚のとき+「帰髀湯」(補益気血)

◇アトピー性皮膚炎

皮膚症状を治療する作用はないが、脾胃を翻すれば脾胃虚弱に起因したアトピー性皮膚炎に効果がみられる。例えば子児の食欲がない、顔色が悪い、腹痛がおこりやすいなど、脾胃不足の症状をともなう場合に適する長期的に使用して体質改善をはかるとよい。

注意事項

①小建中湯は作用が穏やかなので脾胃虚寒の症状が強い場合は、「大建中湯」を用いたほうがよい。

②補陰薬が配合されているが陰虚火旺の微熱には適していない。

③小建中湯は甘味が強いので胃満腹脹の気滞症状がみられるときは適していない。

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