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アカザの持つ食材としての効果、効能とは

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▼鎮痛、消炎

戦時中などお腹を空かせていた時代に良く食されていたものとしてアカザがある。戦記物によると、日本兵が大陸の戦闘で野菜の補充にアカザの葉を利用したらしい。食べすぎて中毒を起こし、皮膚に紅疹ができて火傷のようになった例もあるとか。また天明・天保の大凶作のとき救荒野菜として注目された記録もある。

アカザとは

アカザはアカザ科の一年草。「隠栖に露いっぱいの藜かな」(青畝)とあるように荒地や道端にも自生するが、栽培もされている。茎は直立していて1メートルを越すものも。全株無毛でやや白みを帯びた緑色の葉は三センチほどの菱形。若葉は紅紫色で、夏から秋にかけ枝の先に多数の小花を穂状につけるが、花は黄緑色で無弁花だから目立たない。

アカザの効果や効能について

アカザの特徴は栄養価であろう。それはホウレンソウを凌ぐ。ロイシン、ベタインなどを含み、微量ながら高級脂肪酸や精油も検出されている。とくにビタミンBとCは食用野草のトップクラスに推されるほどだ。そして野草には珍しくクセがない。よく水洗いしてから熱湯で軽く茹で、すぐ水で冷まし、 水切りしてから調理する。

料理も多彩だ。浸し物、和え物、炒め物のほか、佃煮にもなるし、蒸して皮をとればご飯に混ぜてもよい。アカザの若芽や若葉だけでなく、次々に出てくる軟らかい葉、花穂、実と、採取の期間が長いので手軽な惣菜となる。救荒野菜としての価値も、その利便性にあるのだろう。

民間療法

アカザは古くから民間薬としても利用されてきた。まず歯痛止め。アカザの生葉をもんで汁を出し、丸めた脱脂綿に浸して痛む歯で噛んでいると、次第に痛みはとれる。喉の痛みや喘息、動脈硬化の予防には、乾燥した葉20グラムを500㏄の水で半量になるまで煎じ、3回に分服すれば効くという。虫に刺されたときは生葉をもんで汁を塗るとよい。

秋になるとアカザの茎は木質化して強くなり、軽いので老人の杖には具合がよくなる。「やどかりせむ藜の杖になる日まで」(芭蕉)と、それは江戸の昔から愛用されてきた。強くて軽いだけでなく、この杖を用いると中風にならないというジンクスが伝えられるのも、人気がある理由であろう。

ところで、大陸の日本兵が皮膚炎を起こしたのは食べすぎたからではないだろうか。多量に摂取すると、体に蓄積した蓚酸塩類が日光に反応して皮膚に火傷のような腫れ物をつくることがある。しかし戦場の飢餓状況とは違うので、そんなひどい皮膚炎になる心配は無用。若芽のゴマ和えなどは酒の肴にも合う。ぜひお試しを。

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