視力低下は白内障(はくないしょう)が一般的
急激に視力が落ちるものと、少しずつ進行するものとがある。視力の低下は、生活上でも不便だし、手当が遅れると失明という最悪の事態をも招きかねないので、すぐに医師の診察を受ける。
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考えられる病気
急性のものでは、両目にくる原田症候群・視神経炎などがあり、片目にくるも
のでは、眼底出血(がんていしゅっけつ)・網膜中心動脈塞栓(もうまくちゅうしんどうみゃくそくせん)・ぶどう膜炎などがある。
少しずつ進行するものには、白内障・緑内障・糖尿病性網膜症・ベーチェット症候群・視神経萎縮などがある。この中では、白内障(しろそこひ)はカメラのレンズに相当する水晶体がにごって視力障害を起こすもので、比較的治療しやすい。
漢方で老人の視力低下はとめられる
白内障は、眼科的には手術をし、眼鏡やコンタクト・レンズを使用するのだが、漢方では視力低下の障害の進行をとめる効果がある。とくに老人性のものによい。ただし、先天性のものには無効である。いずれにせよ、医師の指示のもとに行う。
視力低下に効果のある漢方薬
八味丸
老人性のものに一般的に用いる。ただし、胃腸が弱い人に処方してはいけない。
人参湯あるいは附子人参湯
胃腸が弱く、血色がわるい人によい。
茯苓飲(ぶくりょういん)
胃下垂・胃アトニーのある人に用いる。
苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
からだがだるく、腰から下が冷え、小便の多いものに効果をみることがある。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
虚弱で、冷え症・貧血のある人に。