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冷えや湿気によって悪化する関節痛に薏苡仁湯(よくいにんとう)

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「薏苡仁湯は冷えや湿気によって悪化する関節痛によく使われます」

処方のポイント

血液を補強する当帰・芍薬、からだを温め寒気を体外排出する麻黄・桂皮、滞った水分流通を動かす白朮あるいは蒼朮・薏苡仁、消化器を保護する甘草で構成。風に当たったり、冷えて湿度が高くなると悪化する関節痛等に適応する甘辛味で、温服が効果的。

薏苡仁湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

関節痛、筋肉痛。

漢方的適応病態

湿痺(着痺)。すなわち、四肢や躯幹の痺れ痛み、重だるい、運動障害、軽度の浮腫、冷えなどを伴うもの。

薏苡仁湯の組成や効能について

組成

薏苡仁24蒼朮6当帰6芍藥6桂枝6麻黄6甘草6

効能

去風除湿・、活血止痛

主治

風湿侵入・血脈不通

〇去風除湿:風邪と湿邪を同時に除去する治法である。

〇活血止痛:瘀血の停滞によって生じた血脈不通を、活血法によって治療し、疼痛を止める治法である。

解説

薏苡仁湯は明代・皇甫中の方剤で、主に「流注」を治療する処方である。

〇流注:流痰(流走して定まらない痰核)が不定の個所に注いで、皮下または筋肉に生じる炎症性のしこりを扮す。

適応症状

◇手足流注疼痛

病邪(痰湿・瘀血)があちこちに滞って腫れ、痛み、あるいは化膿したしこりが現れる。

◇麻痺不仁

手足がしびれて、感覚が鈍化する症状を指す。主に瘀血が血脈に停滞して生じる。

◇活暗・苔白膩

暗舌は瘀血の停滞を示し、白膩苔は痰湿の存在を示す。

◇脈滑あるいは渋

痰湿の流注が主体である場合には滑脈がみられ瘀血流注が主である場合には渋脈がみられる。

薏苡仁湯は去湿・活血・通脈の3つの部分によって組成されているが、その中でも去湿の作用が最も強い。薏苡仁と蒼朮は痰湿を重点的に除去する生薬である。薏苡仁には排膿清熱の作用もあるので湿が排除されず鬱滞して熱に変わりやすい状態にも効果が期待できる。当帰と芍薬は血分薬で、活血養血作用がある。当帰は中医外科で腫れ疼痛にもよく使われており、芍薬は痛みを緩和する。桂枝と麻黄は温性の生薬で、停滞している血脈を温めて通じさせる。特に桂枝は陰疽(知の凝滞によって生じる腫れ、しこりで波膚の色は変わらず、熱もなく痛みも少ないが陰性で治りにくい)に用いることが多い。

臨床応用

◇流注

皮下または筋肉にできたしこり、結節などの病症を治療できる。痰湿と瘀血の流注によるリウマチ結節、慢性骨髄炎、結節性動脈炎などの疾患に用いられている。

〇局部が赤く腫れて熱感をともなうとき+「黄連解毒湯」(清熱解毒)

◇痺証

リウマチ、関節痛、神経痛などに用いることが多い。薏苡仁蒼朮などの去風除湿薬カ唒己合されているので、風湿痺痛(関節、筋肉が重く痛い、浮腫、関節水腫など)に用いる。麻黄には発汗散寒作用があるので、風寒湿の邪気が侵入したばかりの痺証に用いられる。「麻杏薏甘湯」より通痺の作用は優れている。

◇しびれ

活血薬が配合されているので痰湿と瘀血が停滞して血脈不通となった四肢、皮膚の麻痺に用いられる。例えば糖尿病、神経痛によって生じる感覚障害に使用してもよい。

〇しびれが長びいたとき+「冠元顆粒」(活血化瘀)

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