menu

山椒(さんしょう)の詳しい生薬説明ページ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

別名:花椒(かしょう)、川椒(せんしょう)、かほくさんしょう

中国の各地に自生し、栽培されているミカン科の落葉低木、カホクザンショウ(㊥花椒Zanthoxylumbungeanum)の果皮を用いる。

果実の中の種子は椒目(しょうもく)という。日本のサンシヨウと同属植物であるが、カホクザンショウの果実はサンショウの果実よりも粒が大きくて果皮が赤い。四川省で多く採れるため蜀椒、川椒ともいわれるが、河北省渉県のものが最高品質とされている。中華料理では塩と混ぜた花椒(ホァジャオ)塩や醤油と混ぜた花椒油などの調味料としても利用されている。日本にも食品として多く輸入されているが、日本薬局方では医薬品として山椒と規定しており、花椒を除外している。現在、中国では蜀椒、秦椒、青椒などを区別せずに基原植物を花椒としている。一説によると『神農本草経』や『金匱要略」の蜀椒および川椒はカホクザンショウ、秦椒はフユザンショウZ.armatum、青椒(青花椒)はイヌザンショウZ.schinifoliumと推定されている。花椒にはリモネン、ゲラニオール、クミンアルコールなど、青花椒にはエストラゴール、ベルカプテンなどが含まれる。薬理的には抗菌・殺虫作用、鎮痛作用などが認められている。漢方では温裏・止痛・駆虫の効能があり、消化不良、胃内停水、腹痛、嘔吐、咳嗽、関節の痛み、下痢、歯痛、回虫症、陰部瘙痒症などに用いる。とくに花椒は脾胃虚寒、つまり胃腸が冷えて生じる腹痛や下痢の常用薬である。冷えによる下痢には蒼朮・陳皮・厚朴などと配合する。水分が停滞して生じる冷えを寒飲というが、寒飲による喘息などの呼吸困難や咳嗽には細辛・乾姜と配合し、寒飲による腹部膨満には厚朴・半夏と配合する。妊娠中に冷えにより帯下や腹痛、腰痛などのみられるときに安胎薬として白朮・川芎などと配合する(白朮散)。また湿疹や瘙痒症には苦参・地膚子などと煎じた液で洗う治療法もある。一般に薬用にする場合には果柄と種子を除き、鍋ではぜる音がするまで炒って油を抜く。この油を除く行程を『傷寒論』や『金匱要略』の中では「汗を出す」とか「汗を去る」と記している。→山椒・椒目

止痛作用

冷えによる痛みに用いる。胃腸が冷えて生じた腹痛や嘔吐、蠕動亢進や術後の癒着による痛みには乾姜・人参などと配合する(大建中湯)。回虫症にみられる腹痛には烏梅などと配合する(烏梅丸)。胃炎や肋間神経痛などで胸から背中にかけて痛むときには乾姜・芍薬などと配合する(当帰湯)。

処方用名

蜀椒・山椒・川椒・花椒・椒紅・椒皮・巴椒・サンショウ

基原

ミカン科Rutaceaeのサンショウ属植物ZanthoxylumbungeanumMaxim.、イヌザンショウZ.schinifoliumSieb.etZucc.などの成熟した果実の果皮。日本産はサンショウZ.piperitumDC.に由来する。

性味

辛、熱。小毒

帰経

脾・胃・腎

効能と応用

方剤例

散寒止痛・燥湿

①大建中湯・当帰湯・蜀椒丸

中寒による激しい腹痛・冷え・嘔吐・摂食不能などの症候に、乾姜・半夏・人参などと用いる。

②椒附丸

陽虚の慢性的な腹痛・水様便には、附子・乾姜などと用いる。

寒湿による腹痛・冷え・水様下痢などの症候に、蒼朮・陳皮・厚朴などと使用する。

解毒駆虫

椒榧丸・清中安蛔湯

回虫など腸内寄生虫による腹痛・嘔吐には、烏梅・雷丸・榧子などと用いる。

湿疹の瘙痒に、苦参・地膚子・明礬などと外用する。

その他

椒苓丸

益火止喘の効能があるので、腎虚の腰痛・痰喘・足冷などにも用いる。

臨床使用の要点

蜀椒は辛熱で、燥散して陰寒を除き、脾に入って散寒燥湿・止痛するので、寒湿傷中の脘腹冷痛・飲食不消・吐瀉冷痢などに適し、また肺の寒邪を散じ命門の火を補うので、肺寒の咳嗽や命門火衰・腎気上逆による痰喘などにも用いる。このほか、辛辣麻酔の性質があり回虫などを駆殺し、虫積による腹痛・吐蛔に効果がある。散寒燥湿補火の効能を利用し、風寒湿痺・呃噫短気・痰飲水腫などにも使用する。煎液を外用すると、瘡腫・痔瘻・湿疹・陰部瘙痒などに有効である。

用量

3~6g、煎服。外用には適量。

使用上の注意

陰虚火旺には禁忌。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

*

ピックアップ記事

  1. 2017-11-7

    【期間限定無料】推奨漢方判定フォーム

    推奨漢方判定に興味を持っていただき、ありがとうございます。 漢方LIFEが提供する推奨…
  2. 2017-4-4

    憂鬱・不安感がある方に効果的な漢方薬4種

    原因が考えられない場合が問題 気分が重くて暗いのが、憂鬱感である。そして、精神に安定を…
  3. 2017-3-2

    生理不順に効果のある9種類の漢方薬

    生理不順は女性の宿命的な苦しみ 生理不順、生理異常、あるいは月経異常といわれるものには…
  4. 2017-2-28

    【求人】国際統合治療協会が薬剤師を募集

    国際統合治療協会では薬剤師の資格を生かして、クリニックにて四診を用いて体質におけるアドバイスを 行っ…
  5. 医者

    2017-1-27

    漢方医学の基礎、基本的な考え方とは

    漢方医学の基本的な考え方には、液体生理学、液体病理学といわれる「気・血・水」「五臓六腑 」「経絡」「…
ページ上部へ戻る