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乾姜(かんきょう)の詳しい説明はこちら

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別名:乾薑、干姜/しょうが(生姜)

熱帯アジア原産のショウガ科の多年草、ショウガ(㊥姜Zingiberofficinale)の根茎を乾燥したものを乾姜という。ただし日本では生のショウガを乾燥しただけのものは生姜(別名:乾生姜)という。日本市場でいう乾姜とはヒネショウガの皮を剥き、蒸した後に乾燥したものであり、全体が飴色の角質となっている。かつては生のショウガを湯通しして乾燥した三河乾姜も流通していた。ちなみに日本の乾姜に相当するものを中国では用いていない。ここでは中国の干姜として説明する。生姜と乾姜を比較して成分にどのような変化がみられるかは明らかでないがジンゲオールが減少して、ショウガオールが増加するという報告がある。漢方的に説明すれば生姜は辛温で発散の作用が強く、感冒や嘔吐の常用薬であるのに対し、乾姜は熱性が強く、体内の冷えによる症状(裏寒証)の治療に用いる乾姜のおもな効能に温裏・補陽(回陽)・化痰などがある。これらの効能は熱性の強い附子と共通するが、古来より「附子は走りて守らず乾姜はよく走りてよく守る」といわれている。

つまり乾姜の作用は、附子よりも持続すると説明されている一方、附子と乾姜を配合すれば相乗的な効果があるため、「乾姜は附子がなければ熱せず」ともいわれている。なお中国では乾姜を外皮がキツネ色になるまで強火で炒ったものを炮姜という。炮姜は辛烈唯質が緩和されているが、止瀉・温経・止血の効能があり、寒証の下痢や不正性器出血・下血などに用いられる。→乾生姜・生姜(ジンジャー)

健胃作用

胃腸が冷えたために生じた悪心・嘔吐・よだれ・腹痛・下痢などの症状に用いる胃腸虚弱などによる慢性胃炎には人参・白朮などと配合する(人参湯)。冷えにより腹が激しく痛み、蠕動が亢進し、嘔吐・下痢などのみられるときには山椒・人参などと配合する(大建中湯)。

去痰作用

多量の薄い痰の症状に用いる。

気管支喘息などで喘鳴や喀痰が著しい者に細辛。五味子などと配合して用いる。一般に発作期には小青竜湯、緩解期には苓甘姜味辛夏仁湯を用いる。

温熱作用

冷えの症状やショック症状に用いる。下半身の冷え、とくに腰が水に漬かっているように感じる症状に茯苓、白朮などと配合する(苓姜朮甘湯)。発汗や下痢などを伴うショック状態で、手足が冷えて衰弱している場合に附子などと配合する(四逆湯)。

処方用名

乾姜・干姜・淡干姜・干姜片・ショウキョウ

基原

ショウガ科Zingiberaceaeのショウガ

ZingiberofficinaleRosc.の根茎を乾燥したもの。

古くは皮を去り水でさらした後に晒乾した。

性味

大辛・大熱

帰経

心・肺・脾・胃

効能と応用

温中散寒

方剤例

理中湯(人参湯)

脾胃虚寒の腹が冷えて痛む・腹鳴・不消化下痢・嘔吐などの症候に、人参・白朮・炙甘草などと用いる。

回陽通脈

方剤例

①四逆湯・通脈四逆湯

陽気衰微・陰寒内盛による亡陽虚脱で、四肢の冷え・脈が微弱などのショック状態を呈するときは、附子などと使用する。

②白通湯

脾腎陽虛の不消化下痢・四肢の冷え・脈が微弱などの症候に、虛陽上浮による

頬部の紅潮・のぼせ・煩躁などをともなうときは、附子・葱白などと用いる。

温肺化痰・化飲

方剤例

苓甘五味姜辛湯・苓甘姜味辛夏仁湯・小青竜湯

肺の寒飲による咳嗽・呼吸困難・希薄な多量の痰・背部の冷感などの症候には、半夏・細辛・五味子などと使用する。

臨床使用の要点

乾姜は辛熱燥烈で無毒であり、温中散寒の主薬であるとともに、回陽通脈燥湿消痰の効能をもつ。陰寒內盛・陽衰欲脱の肢冷脈微・脾胃虚寒の食少不運・脘腹冷痛・吐瀉冷痢・肺寒痰飲の喘咳・風寒湿痺の肢節冷痛などに適する。

参考

①生姜・乾姜・炮姜は同じものからできているが、効能が異なる。生姜は「新鮮なひねしょうが」で水分を含み、辛・微温で辛散の力が強く、散寒解表温中止嘔に働き、外感風寒や胃寒嘔吐の常用薬である。乾姜は生姜を乾燥させたもので、辛散の性質が弱まって辛熱燥烈の性質が増強されており、温中回陽に長じ温肺化飲にも働く。炮姜は乾姜を黒くなるまで加熱したもので、性味が苦温に変わり辛散の性質がほとんどなく、温中止瀉・止血に働く。「生姜は走きて守らず、乾姜はよく走きよく守り、炮姜は守りて走かず」と概括され、発散(走)と不発散(守)の関係が示されている。

②日本では、生姜、乾姜を中国とは別の呼び方をしており、間違えると薬効に影響があるので、注意が必要である。

日本の「生姜」は、乾燥品(すなわち乾姜)を意味し、「乾生姜」ともいう。また、日本の「乾姜」は蒸して乾燥したものであり、中国には該当するものがない(近年は蒸したものを中国で作製し、日本に輸出している)。

③乾姜、附子はともに回陽に働くが、乾姜は主に脾胃に入り温中散寒し、附子は下焦の元陽を峻補する。両者を併用すると効果が高まるので、「附子は姜なくば熱さず」ともいわれている。

用量

3~9g、煎服。

使用上の注意

辛熱燥烈であるから、陰虛有熱・妊婦には禁忌。

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