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酸棗仁(さんそうにん)の生薬解説はこちら

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別名:棗仁/さねぶとなつめ(核太棗)

中国原産と推定されるクロウメモドキ科の落葉小高木、サネブトナツメ(㊥酸棗Zizyphusjujuba)の成熟種子を用いる。ナツメ(㊥棗var.inermis)よりも酸っぱいので酸棗といい、種子が大きいのでサネブトナツメというサネブトナツメはナツメの母種で枝にトゲが多く、葉や果実はナツメよりも小さい。ナツメは果肉を大棗(たいそう)として用いるが、サネブトナツメは種子を酸棗仁として用いる。種子の成分にはベツリンやベツリン酸、サポニンのジュジュボシドA・Bなどが知られ、煎液には鎮静・催眠作用や鎮痛・抗痙攣作用、抗ストレス作用などが報告されている。漢方では肝を養い、心を寧んじ、精神を安定させ、汗を収斂する効能があり、古くから鎮静・安眠薬として用いている。酸棗仁の安眠作用は継続的な服用により次第に効果が発揮され、麻酔作用や中毒作用はない。一説によると炒して用いると不眠を治すが、生で用いると多眠を治すといわれており、吉益東洞は酸棗仁湯を不眠症とは逆の嗜眠症に用いて治療したという話もある。また発汗過多を抑制する作用もある。→大棗

①安眠作用

心身の疲労による不眠に用いる。体力が衰えているために眠りが浅く、夢をよくみて、動悸や盗汗のあるものに茯苓・知母などと配合する(酸棗仁湯)。胃腸が弱く、心身が疲労して不眠や健忘、貧血、神経衰弱のみられるときに人参・白朮などと配合する(帰脾湯)。大病の後で神経が過敏になって眠れないときには茯苓・竹筎などと配合する(加味温胆湯)、精神障害で独語、独笑のみられるときには茯苓・羚羊角などと配合する(正心湯)。

②止汗作用

虚弱体質者の多汗や盗汗に黄耆・牡蠣・五味子などと配合する。陰虛や血虚による動悸、不眠、健忘、盗汗などには生地黄・人参などと配合する(天王補心丹)。

処方用名

酸棗仁・棗仁・生棗仁・炒棗仁・サンソウニン

基原

クロウメモドキ科RhamnaceaeのサネプトナツメZizyphusjujubaMill.の成熟種子。

性味

甘・酸、平

帰経

心・肝・胆・脾

効能と応用

方剤例

補肝寧神

①酸棗仁湯・天王補心丹・補肝湯

血不養肝・虚火擾心による焦躁・熱感・不眠・動悸などの症候に、茯苓・柏子仁・丹参・熟地黄などと用いる。

②帰脾湯

心脾両虚の健忘・多夢・眠りが浅い・疲れやすい・元気がないなどの症候には、人参・茯苓・竜眼肉・遠志などと使用する。

収斂止汗

体虚の多汗に、人参・茯苓あるいは生地黄・白芍・麦門冬・五味子などと用いる。

臨床使用の要点

酸棗仁は酸収甘補で、陰血を補い津液を収斂し、補益肝胆・滋養心脾の効能をもつ。虛煩不眠・驚悸多夢に対する良薬であり、斂汗固定により体虚多汗にも有効である。

参考

炒用すると醒脾の効能が得られる。

用量

9~15g、煎服。粉末は1回1.8gを呑服する。

使用上の注意

①不眠には睡眠前に服用させるとよい。

②実邪・鬱火には用いない。

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