心身ともにつらい胸の痛み
背痛は、多くが疲労による筋肉痛である。疲労さえとれれば自然に治るはずだ。ただし、胸も痛いとか腹が痛む、腰痛などをともなう場合は、それらの痛みが背中にまでおよんだ放散痛であるから、注意しなければならない。
問題があるのは、胸が痛む場合だ。その原因が複雑だからである。
考えられる病気
かぜでも、たちのよくないものは、筋肉痛として胸に痛みを感じるし、心臓には異常のない心臓神経症も胸痛を起こす。
セキやクシャミをしたとき、痛みを感じるものは、気管支炎(上胸部)・肋膜炎(胸のわき)・肋間神経痛(ろっかんしんけんつう)(肋骨の下のへりに沿って)などだが、肋間神経痛では痛みが発作的におそうこともある。狭心症や心筋梗塞では、胸がしめつけられるように痛む。いずれにせよ、胸痛がはげしいとか、長くつづくようなら、医師の診察を受けることだ。
漢方は気管支炎と肋間神経痛の処方
小青竜湯
かぜをひいてセキが出て、胸が痛み、水のようなタンが出、ヒューヒューいう人に。
麦門冬湯
セキがとまらずに顔が赤くなり、むくみがきて、粘液性のタンがうまく切れない人に。
桂枝加朮附湯
体力がなく、手足が冷え、貧血の人の、肋間神経痛による胸痛に。
防風通聖散
ヘソを中心に盛り上がったタイコ腹をした、体力がある肥満体の人の肋間神経痛に。