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漢方医学の歴史とツムラの貢献

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今でこそ漢方薬は広く普及していますが、実は明治から昭和にかけて漢方薬が使われていない時代がありました。そして、漢方薬が再び使われるようになるまでには、漢方医と製薬会社の尽力がありました。当記事では、普段使っている漢方薬が、どこでどのように生まれ、発展して今のカタチになったのかをまとめています。漢方薬についてより深く知り、漢方薬を健康に役立てるうえで参考にしてみてください。

 

漢方薬のルーツ

葛根湯という漢方薬をご存じですか?風邪などに用いられる、比較的有名な漢方薬です。この漢方薬のルーツは、3世紀の中国で編集された医学書「傷寒論(しょうかんろん)」「金匱要略(きんきようりゃく)」だと考えられています。葛根湯だけでなく、その他の多くの漢方薬もこれらの医学書に根ざしています。中国と日本との間で直接交流がなかった時代には、中国の医学は、朝鮮半島を経由して伝えられていました。

7世紀に入ると、日本と中国は遣隋使・遣唐使を通じて、直接交流を始めます。例えば、608年には推古天皇が医師を中国に派遣し、医薬に関する知識を日本に持ち帰らせました。また、754年には鑑真(がんじん)が中国から日本に渡り、その際に大量の医学書と医薬品を持ち込みました。それだけではなく、弟子とともに中国の医薬の知識を伝授したと伝えられています。

 

日本での漢方薬の発展

平安時代になると「医心方」という、日本で最も古い医学書がまとめられました。医心方は、100余種あまりの中国の医学書を引用しており、理論から臨床までの内容を幅広くカバーしていました。

鎌倉・室町時代には、中国から伝わった医学の日本化が始まりました。戦国時代に活躍した曲直瀬道三(まなせどうざん)は、中国で医学を学んだ田代三喜(たしろさんき)に師事し医学を学びました。その後、道三は啓迪院(けいてきいん)という医学校を設立して、800名もの弟子に医学教育を施したといわれています。

江戸時代になると、先述の医学書「傷寒論」「金匱要略」が日本で注目を浴びます。名古屋玄医(なごやげんい)が、これらの医学書を読み込み、傷寒学説として広めました。

 

西洋医学の台頭

江戸時代には、漢方医学の醸成と並行して、1543年に日本に伝えられた西洋医学も発展を遂げました。そして、明治時代に入ると、西洋医学が日本の医学の中心に据えられ、1875年から1916年まで行われた医術開業試験では、西洋医学の知識が問われました。

なぜ、西洋医学は漢方医学に取って代わったのでしょうか?これには当時の時代背景が関係しています。明治時代以前、日本では戊辰戦争により、多数の将兵が重篤な戦傷を負いました。当時の軍医は、漢方医と蘭方医で構成されていましたが、蘭方医が人体の解剖学に詳しく、漢方医はこれに疎かったと言われています。また、蘭方医の佐藤泰然(さとうたいぜん)が開設した病院兼医学塾「佐倉順天堂」の外科の水準は高く、本家の西洋の水準と大差がなかったと考えられています。

そして、明治に入ると、漢方医ら自身が、日本に西洋医学を許容することを趣旨とする「西洋医学御採用方」という建白書を提出し、新政府により採用されました。これにより、先述の西洋医学を柱とする制度が確立されました。さらに、1895年に帝国議会で「漢医継続願」が否決され漢方医学は一気に衰退しました。

 

漢方医学の再興とツムラの関わり

しかし、漢方薬は一部の医師らの働きにより使われ続けました。これらの医師を支えたのが、株式会社津村順天堂(現在の株式会社ツムラ)です。1957年には、自社ビルの一部に漢方診療所「金匱会(きんきかい)中将湯ビル診療所」を開設し、大塚敬節博士をはじめとする著名な漢方医を招き入れました。この診療所は現在も、金匱会診療所として営業しています。また、現在、漢方医学関係の学会として、日本で最も会員数の多い日本東洋医学会の活動も、ツムラの支援により支えられました。

こうした漢方医とツムラの活動により、漢方薬復権の下地が整い始めました。そして、1960年代には、薬害の問題が相次ぎ、これまで主流だった西洋薬に対する懸念が高まり、漢方薬にとっての追い風となりました。

1974年、ツムラは医療用漢方製剤の販売を開始し、その2年後に医療用漢方製剤(33処方)が薬価基準に収載されました。ツムラの漢方薬が医療現場で保険診療として使われるようになり、漢方薬は江戸時代以来の復権を果たしました。

現在、ツムラは「”KAMPO”で人々の健康に寄与する価値創造企業を目指して」というビジョンのもと漢方医療の普及のための事業活動を続けています。

 

中国で生まれ日本で育った漢方薬を普段の生活に取り入れてみましょう

漢方薬は中国からもたらされた医薬品です。そして、日本で独自の発展を遂げました。今でこそ、漢方医とツムラのおかげで不自由なく漢方薬を用いることができますが、明治以降から昭和初期にかけて、漢方薬が衰退していた時期もありました。身体の不調がある場合には、長い年月をかけて発展してきた漢方薬を、普段の生活に取り入れてみましょう。

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