女性に多い血管運動神経症
熱い風呂に長く入ったあと、あるいは人前に出たり、恥ずかしい思いをしたときに、たいていの人が経験したことのある症状である。
目次
原因
ところが、はっきりした原因もなくのぼせるということもある。これは女性に多く、自律神経の失調によるものである。一種の血管運動神経症といってよい。
ただし、高血圧症でものぼせることがあるので、血圧が高い人は注意を要する。
漢方は冷え症とは裏腹の関係
この症候を上気(じょうき)、逆上(ぎゃくじょう)などとよび、気や血の上衝(じょうしょう)であり、冷え症とは表裏一体の関係にある、と漢方ではとらえるので、比較的治しやすい。
のぼせやすい方におすすめの漢方薬
黄連解毒湯
精神不安・煩悶(はんもん)・充血・出血のどれかがあり、みぞおちがつかえて抵抗のあるもの。
柴胡加竜骨牡蛎湯
みぞおちがつかえて、へそのあたりに動悸があり、神経症状が強くて、体力のある、便秘がちの人に用いる。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
肥満体質で、たいこ腹、しかもつねに便秘している人ののぼせに効く。
大柴胡湯
上の症状で、胸苦しく、みぞおちが緊張している場合には、こちらのほうがよい。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
血の道症で、足が冷え、便秘の人。
桂枝茯苓丸
上の症状で、便秘しない人に。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
めまい・頭痛があって、胃腸が弱い人に用いる。