とりあえず医師の診察を受ける
喉がゼーゼーするのは、専門的には喘鳴(ぜいめい)という。ネコが喉を鳴らすのと似ているが、気道の炎症・過敏状態・けいれんなどによるものである。
目次
喉がゼーゼーするときに考えられる病気
大人では、気管支ぜんそく・心臓ぜんそく・慢性気管支炎などのことが多く、ほかの呼吸器疾患や心臓弁膜症でも喘鳴がある。
子どもでは、セキをともなうときは、アレルギー体質の子が気管支炎になったり、気管支ぜんそくの子が気道感染を起こしている場合が考えられる。セキに熱をともなっているときは、ぜんそく様気管支炎や肺炎、気管支拡張症などを疑う。声がかれて犬吠えのようなセキをするときは、仮性クループ、ジフテリア(最近は少ない)などの可能性がある。なお、乳児では、先天性喘鳴というのがあり、生後半年ぐらいで自然に治まる。
いずれにせよ、喘鳴があるのは、急性症状があらわれているわけだから、冷静に判断して、医師の診察を受けたほうがよい。
気管支ぜんそくの症状
発作的に呼吸(とくに呼気)が苦しくなり、発作は数十分から数時間、ときには数日つづくが、セキやタンが出ると治まる。発作は寝ているときに起きやすい。一般に熱はない。治療はなかなかむずかしい。
ぜんそくには、このほか心臟ぜんそくふぁあり、気管支ぜんそくとは区別しなければならない。慢性気管支炎・肺結核ともまちがえやすい。
「小児ぜんそく」は、別項(後述)参照。
漢方では気長に体質改善をはかる
喘鳴そのものに対しては、病気がなんであるか判断しなければならないので、ここでは処方をあげない。しかし、気管支ぜんそくという診断であれば、現代医学でも現在のところ、根本的治療はないので、医師と相談のうえ、漢方薬で気長に体質改善をはかるとよいだろう。
喉がゼーゼーするときに効果的な漢方薬
大柴胡湯合半夏厚朴湯(だいさいことうごうはんげこうぼくとう)
みぞおちからわき腹にかけて重苦しい感じがあり、肥満して、便秘の傾向がある人の、ぜんそくの体質改善に用いる。
柴朴湯(さいぼくとう)(小柴胡湯と半夏厚朴湯の各方)
上腹部に少しは抵抗があるが、あまり膨満のない、やせ型で、筋肉のひきしまった人によい。
附子人参湯(ぶしにんじんとう)
やせ型で、貧血の傾向があり、胃は弱く、冷え症の人に処方する。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
腹直筋がかたくなり、発作の前によく鼻みずが出るか、尿が近くなる人、かぜをひくとぜんそく発作を起こすものに用いる。
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
発作時の頓服(とんぷく)として用いる。ただし、軟弱無力な腹をしている虚証の人には不可。
ぜんそく発作を鎮める民間療法
いちばん簡単なのは、水を飲むことである。喉のつかえがとれるから、一時的には治まる。
ニラの汁をしぼって飲ませるとよい、といわれるのも、同じ目的からだろう。
レンコンの節のところをおろしたもの盃に半分に、ショウガ(生姜)のおろし汁とハチミツ(蜂蜜)少々をいれ、熱湯をそそいでよくかきまぜて飲むと、鎮静剤として有効である。
ちょっと気味はわるいが、生のナメクジを飲むという民間療法もある。これは意外に効果があるものだが、手に入らなかったり、感覚的に受けつけない人には、ナマコでもかまわない。